■走りはFF化されてもBMWらしい世界観。ただしDCTはどうか?
内外装の撮影が終わったところで、次はドライブへと繰り出します。
スタータースイッチを押すと、1.5L 3気筒ターボエンジンが始動。
最高出力は140PS/4600rpm、最大トルクは220Nm/1480-4200rpmに7段DCTが組み合わされます。
BMWグループのFF車言えば、MINIなどが思い浮かびますが、MINIでは8速ATが組み合わされていたのに対し、この新型1シリーズでは7速DCTなんですね。
シフトをDレンジに入れて走り出しますが、今回から電動パーキングブレーキとブレーキホールドが採用されたのは朗報です。
これによって、全車速追従かつ停止保持もできるアダプティブクルーズコントロールが採用されました。
ただし、先程も書きましたが気をつけなければならないのが、全車速追従のアダプティブクルーズコントロールはオプションということ。さらに車速維持だけのクルーズコントロールもオプションで用意されているので、間違ってそちらを選ばないように注意が必要です。
停止状態からアクセルを開けると、いきなりグイッとトルクが立ち上がり、想定しているよりも前に進んでいく感じがあります。
DCTならではのダイレクト感があるトルクの伝達は、小気味よく1390kgの118I Playを加速させていきます。
これはゴーカート感ありますね。
ただ、8速ATよりもDCTのほうがダイレクト感はあるものの、アクセルオフにした際のエンジンブレーキが強めにかかったりするので、微低速時にアクセルをオンオフするとギクシャクするような挙動になるのは好みが分かれるかもしれません。
もともと、先代1シリーズに搭載されていた8速ATもダイレクト感があり、エンジン出力以上にトルクフルに感じる洗練された仕事をしていたトランスミッションだけに、新型の7速DCTはややラフに感じるかもしれません。
走り出して速度を上げていくと、ボディ剛性の高さからくるビシッとした乗り味と、中間グレードながら野太いエグゾーストサウンドが心地よいです。
ステアフィールもBMWらしいドッシリとした座りがあり、アウディともまた違った硬質感のある走りです。
BMWの走りの魅力は、ドライバーの意志とクルマの挙動に齟齬がなく、意図した加減速やライントレース性を発揮してくれるところにあると思います。
それが、この新型1シリーズでも貫かれていますね。ただ、今までのBMW車と決定的に違うのはやはりDCTです。こればかりは好みがあるので、試乗して確かめてみることをオススメします。
高速道路も走ってみました。
合流の全開加速では、段差でホイールスピンするほどのトルクがしっかり出ていて、140psながら不足ない加速感があります。
ただ、高速巡航では「サー」という高周波が耳に付きます。
これは街中でも荒れている舗装路などではロードノイズが大きくなりがちで、16インチを履いていてもここまでのロードノイズとなると、17インチやM135iの18インチなどではどうなるのかは、ちょっと気になります。
運転支援システムも試してみましたが、こちらの試乗車ではアダプティブクルーズコントロールではなく、車速維持だけのクルーズコントロールだったので、前車に追従して走ってくれるわけではなく、近づきすぎるとブレーキを踏んでくれるという、今日日としては物足りないものになっていました。
さらに、車線の中央を走ってくれるレーントレース機能はなく、はみ出しそうになったら戻す車線逸脱抑制に留まります。
これもライバルメーカーのレーントレースしてくれるステアリング制御に比べると、ちょっと物足りない感じがしました。
BMWと言えば「駆け抜ける歓び」なので、運転支援システムなんて要らないぜ!という人には良いかもしれませんが、3シリーズ以上では他メーカーに先駆けてハンズオフを実装しているメーカーとしては、1シリーズの運転支援システムは少し残念に思いました。
とは言え、走りの動的質感においては、他社にはない走る楽しさがあるモデルになっていると思うので、気になる人はお近くのBMWディーラーに足を運んでみてはいかがでしょうか。
試乗インプレッションは以下の動画でも公開中!
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[ドラヨス]
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クルマ買うチューバーを自称し、年に何台もクルマを購入してレビューするスタイルが好評。
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