2019年9月にフルモデルチェンジしたBMWの1シリーズに遅ればせながら乗ることができました。
今回のフルモデルチェンジでFRからFFへと駆動方式が変更された新型1シリーズですが果たしてその実力やいかに。
■新型1シリーズ「118i Play」のスペックとオプション注意点
試乗したのは、新型1シリーズ118iの中でも中間グレードとなるPlayというグレードです。
新型1シリーズは118iとM135iがデビューしており、
118i 3,340,000円
118i Play 3,750,000円
118i M Sport 4,130,000円
M135i xDrive 6,300,000円
というグレード展開になっています。
118iは1.5L 3気筒ターボに7速DCT、M135iは2.0L 直4ターボに8速ATが組み合わされています。
こちらの試乗車の118i Playは車両本体価格こそ375万円ですが、他の輸入車などと同様に安全装備やナビなど絶対必須な装備もオプションになっているので、オプションだけで+80万円もかかっています。
特に注意しなければならないのが、アダプティブクルーズコントロールやクルーズコントロールまでオプション扱いということ。
しかもコチラの試乗車は、アダプティブクルーズコントロールではなく、クルーズコントロール(41,000円)が装備されていました。
今日日、輸入車のプレミアムCセグメントでアダプティブクルーズコントロール付いてないとは思いませんでした。
BMW1シリーズを購入検討されている方は、クルーズコントロールを間違って付けないよう、ご注意くださいね。
そしてそれらのオプションを込みの車両本体価格合計は450万円を超えています。
M SPORTでなくてもこのくらいはしてしまうんですね。そうなってくると、メルセデスのAクラスのお買い得感が強まってくるのですが。
■取り回しもしやすいボディサイズ
118i Playは中間グレードなので、エクステリアの印象はだいぶおとなしいです。
16インチホイールが標準装備なので、足元が特におとなしい印象。ただ、女性などで厳ついエクステリアを好まない方は、このくらいおとなしいほうが良いのかもしれません。
Playでもオプションで17インチホイールは装着可能なので、気になる人はそれをつければ良いでしょう。
新型1シリーズのフロントマスクですが、キドニーグリルと呼ばれる、特徴的なグリルは年々巨大化の一途をたどっています。
まだ1シリーズではそこまで大きくなく左右が連結されるデザインになっているので、スッキリした印象はありますが、X7とかになると本当に巨大ですからね。
後日X7のレポートもお届けしますのでお楽しみに。
灯火類はすべてLED。
LEDヘッドライト(LEDハイ/ロービーム、LEDフロント・ターン・インジケータ、LEDデイタイム・ランニング・ライト、LEDコーナリング・ライト)、LEDフロント・フォグ・ランプ、LEDテールライトまでが標準装備です。
ただし、アダプティブハイビームシステムはオプション。
ビジョン・パッケージ(27万円)で、
・アダプティブLEDヘッドライト
・ハイビーム・アシスタント
・BMWヘッドアップ・ディスプレイ
が装備されます。
続いてサイドビューを見てみましょう。
BMW新型1シリーズのボディサイズは、全長4,335mm×全幅1,800mm×全高1,465mm、ホイールベース2,670mmとなっています。
全幅がギリ1.8mなのは良いですね。このくらいのサイズ感がやはり取り回ししやすいです。
全長は比較的短めで、MAZDA3ファストバックの4,460mmやインプレッサの4,475mmなどよりも短いレベル。
意外とコンパクトなんですね。ちなみにライバルであるAクラスの全長は4,420mm、アウディA3は4,325mmとなっています。
今回の1シリーズからFF化されましたが、フロントノーズは意外と長いです。
キャビンの居住性は先代以上になってましたが、すごく広いというほどではなく、あくまでCセグメントのFFレベルでした。
サイドビューではやっぱりこの16インチホイールがおとなしすぎる印象です。乗り心地の面ではインチダウンされている方が良いかもしれませんが、せめて17インチホイールくらいは付けたいですね。
ちなみにPlayならばオプションで17インチホイールを選択可能(7万円)。個人的には絶対つけたいところです。
リアビューは3シリーズなどにも共通する力強い表情のデザインになりました。
マフラーは片側1本出しで、ノーマルでも結構大きなマフラーが付いています。
これが野太いサウンドを奏でていてよかったです。
バックフォグも含めてLEDなのは良いですね。
細かいキャラクターラインも引かれていて、造形の密度感は良い感じ。
バックドア後端にもちょっとしたショートデッキみたいなデザインになっていて、スポーティでした。
■大きく質感を高めたインテリア
続いては内装を見てみましょう。昨今のBMWの内装の質感は飛躍的に良くなりましたね。
内装と言えば一昔前まではアウディがよく、BMWはお世辞にも良いと言えるレベルではありませんでしたが、その印象もすでに逆転した感すらあります。
アウディは最近はハードプラの面積も多く、BMWのほうが良いと思える部分も多いです。
新型1シリーズ 118i Playのドアトリムも、上部はソフトパッド、中央や肘置き部分にはステッチ付きの合成皮革で覆われるなど、1シリーズよりも価格が高かったアウディA1よりも遥かによく見えます。
Z4や3シリーズから始まった新世代BMWのインテリアデザインは、1シリーズでも踏襲され、フルモデルチェンジをした車種ではX7まですべてこのデザイン文法で統一されています。
以前のBMWからそうですが、1シリーズから7シリーズまで、統一されたインテリアデザインで迷わないという美学があるのだと思いますが、最上級車種と最廉価車種で同じようなインテリアというのも、代り映えしないなと言うのが正直な感想です。
たしかに、X7と1シリーズでは、使われているマテリアルが全然異なりますが、ナビ画面やデジタル液晶メーターなどの配置やスイッチ類のデザインは同じなので、それならば1シリーズが質感が高く見えるというもの。
そういう意味では、1シリーズは恩恵が大きいと言えます。
後席の足元空間は、FF化されたといってもすごく広いというわけでもなく、ライバルのCセグメントFF車と同じくらい。
今までがFRで狭かったので、それでも標準的になって使い勝手も向上したと言えます。
内外装のインプレションは以下の動画でも公開中!