ボッシュは、透明な液晶ディスプレイとカメラで構成され、従来の自動車用サンバイザーの常識を変える、革新的なバーチャルバイザーを開発したと発表した。ラスベガスで開催されるCES2020で初公開される。
このシステムは、液晶ディスプレイパネルとドライバーまたは乗員をモニターするカメラとを結び付け、太陽がドライバーの顔に落とす影を追跡、ディスプレイ上でドライバーの目に光が届く部分のみを暗くするというもの。ディスプレイの残りの部分は透明なままで、ドライバーの視界を大きく遮ることはない仕組みとなっている。
システムは人工知能(AI)を使って、ドライバーに向けられたカメラの画像に基づきドライバーの位置を特定。目、鼻、口を含む顔の特徴的な要素を判定することで、顔の上の影を識別することが可能となっており、アルゴリズムがドライバーの視界を分析するという。
太陽のまぶしさに起因する自動車事故は、他の天候条件の約2倍誘発しており、高速道路安全局によれば、太陽のまぶしさに起因する自動車事故が年間数千件発生していると報告されている。また、別の調査報告書では、強い日光の下では自動車事故の危険性が通常の条件よりも16%高くなることが示されており、これまでのサンバイザーでは、日光の一部が目に入らないように遮ることは出来るものの、同時に視界の一部までも遮ってしまい、十分には対応できていない現状となっている。