ホンダは、2020年1月7日(火)から10日(金)まで米国ネバダ州ラスベガス市で開催される世界最大級の家電見本市「CES 2020」に出展し、オープンイノベーションで取り組む技術を紹介するとともに、研究開発・事業化パートナーを募ると発表した。
【「CES 2020」出展一覧】
<研究開発の促進・事業化に向けたパートナーを募る技術>
◆Honda Energy Management Concept (ホンダ エネルギー マネジメント コンセプト)
再生可能エネルギーを、身近な暮らしのさまざまなシーンで活用できる技術コンセプト。ホンダは電動モビリティーとエネルギーサービスをつなぐことで、自由な移動と再生可能エネルギーの利用拡大への貢献を目指している。その実現手段の一つである可搬型バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」を用いたシステムを展示する。
モバイルパワーパックは、これまで電動二輪車などに活用してきたが、更に暮らしにまで広げた世界観を提示する。特にその可搬性に着目し、野外など電力インフラのない場所での電源供給など、いつでもどこでも再生可能エネルギーの利用を可能にする。クリーンなエネルギーによる移動と暮らしの実現に向け、モバイルパワーパックを始めとするエネルギーマネジメント技術の活用を探索するパートナーを求めている。
◆SAFE SWARM(セーフ スウォーム)
コネクテッドカー技術(ネット接続型や車車間/路車間通信自動車技術)を活用し、安全でスムーズな交通の流れの実現を目指す技術コンセプト。車車間/路車間通信でデータをやり取りすることにより、見通しの悪い交差点進入時の衝突の回避や、合流時や車線変更時のスピードを分析し、適切なスピード・タイミングでの合流や車線変更をアシストすることで渋滞発生を防ぐなど、大群でも互いにぶつからずに泳ぐ魚の群れ(Swarm)のように、交通全体の流れを安全かつスムーズにすることを目指している。
CES 2017でコンセプトを発表し、2018年初頭より、車車間/路車間(V2X)通信機を搭載した車両を用いて、米国オハイオ州コロンバス地域とHonda R&D Americas, Incをつなぐ州道33号線にて実証実験を実施している。現在、約100台で運用中の搭載車両を約200台へ拡大する予定。また同州メアリズビルでは、交差点の信号にカメラ・センサー・V2X通信機を設置し、V2X搭載車両と通信する「Smart Intersection(スマート インターセクション)」の実証実験も開始している。
今後、実証実験をさらに加速させるため研究開発パートナーや共同実験パートナーを求めており、ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)やCAV(Connected and Automated Vehicle:コネクテッドカー・自動運転車)に関わる企業と、実証実験を共同で実施する自治体のプロジェクト参画を募っている。
◆Smartphone as Brain (スマートフォン アズ ブレイン)
~Drivemode(ドライブモード)~
ドライブモードは米国カリフォルニア州に拠点を置く、スマートフォンを活用したコネクテッドサービスの開発・運営を行っているスタートアップ企業。スマートフォン アズ ブレインは、シンプルな画像と音声フィードバックで、運転中でも進行方向から視線を外すことなくスマートフォンを操作できるようにするHMI(ヒューマン マシン インターフェース)技術。運転中にスマートフォンを操作したいというニーズに対し、運転者のスマートフォンと二輪車・四輪車をBluetoothでつなげ、手元のステアリング・スイッチと音声認識でスマートフォンの操作を可能にするインフォテインメントとコネクテッド機能を提供する。
◆Honda Personal Assistant(ホンダ パーソナル アシスタント)
~SoundHound(サウンド ハウンド)~
サウンドハウンドは米国カリフォルニア州に拠点を置く、音声認識技術の開発を行う企業。ホンダパーソナル アシスタントは、人とモビリティー、さまざまな機械やネットワークをつなぐインターフェース。AIエージェントがドライバーの発話だけで意図を理解し、モビリティー・機械ごとに異なる操作方法やマニュアルなど、機能の複雑化により増大している人の負担を軽減する。
◆Industrial Innovation (インダストリアル イノベーション)
~Monolith AI(モノリス エーアイ)、Skelex(スケレックス)、
noonee(ヌーニ―)、UVeye(ユーブイアイ)~
<将来のオープンイノベーションを見据えたコンセプト発信>
◆自由運転
完全自動運転が実現した時代に、パーソナルモビリティーで移動することの価値を提案する新たな自動運転コンセプト。単なる自動運転を超えて、クルマが黒子になって運転をサポートすることで、ドライバーが運転中にふと興味を抱いた場所に意のままに立ち寄ることを叶えてくれるような、自由な移動の実現を目指していくとしている。自動運転技術とさまざまなセンサーが人の意思を読み取ることで、あたかもクルマがドライバーの思い通りになる足のような身体拡張を実現する。
◆Future Honda Mobility(フューチャー ホンダ モビリティー)
2035年の米国ロサンゼルスを舞台にホンダが描く未来のモビリティー社会を表現したVR映像。都市部において安全で安心できる自動運転の移動体験や公園でのモビリティーと歩行者との共存、空中移動体験といったシーンごとに、Hondaが描く未来のモビリティーエコシステムをリアルに表現する。