9月28日(土)、29日(日)の両日に、岡山国際サーキットで行われたスーパーフォーミュラ第6戦は、山下 健太選手(KONDO RACING)が終盤首位となり、国内トップフォーミュラでの自身初勝利を飾った。また、4番手からスタートを切った中嶋 一貴選手(VANTELIN TEAM TOM’S)が2位に入り、トヨタ勢が1-2フィニッシュを果たした。
決勝では終始ドライコンディションでのレースとなる中、今大会では、最初の10周を終えてからスタートとは異なる種類のタイヤに交換しなくてはならないという新たな規定が加えられたため、様々な戦略がとられた。10番手スタートの小林選手は、1周を終えてのいきなりのピットインで、ミディアムタイヤからソフトタイヤへと交換。この10周以降の義務は終えていないため、再度のピットインが必要ながらソフトタイヤでファステストラップをマークしながら追い上げを開始した。
上位勢では、ポールポジションの平川選手が、ソフトタイヤで順調に首位をキープし、3周目を終えた時点では2位に2秒差をつけた。一方、2番手グリッドの山下選手は、ミディアムタイヤでのスタートを選択し、3番手グリッドの国本選手は、スタートで出遅れ、その後1コーナーでのバトルでコースオフを喫するなど、ポジションを落とした。4番手グリッドの中嶋選手も、ディアムタイヤでスタートし、山下選手と中嶋選手は、ソフトタイヤのライバル勢に追い上げられ、じりじりとポジションを落とすこととなった。しかし、8周目に2位走行中の車両がコースオフ。セーフティカーが導入された。
セーフティカー走行中にタイヤ交換義務の10周を過ぎたため、山下選手、中嶋選手らは揃ってピットインし、首位平川選手を含むソフトタイヤの上位勢はピットに入らず、13周目の再スタートは、平川選手に石浦選手、キャシディ選手と続くトップ3、そして坪井選手が6位、小林選手が7位、その後方にタイヤ交換義務を終えた山下選手、中嶋選手と続いた。石浦選手は、33周目、タイヤのトラブルに見舞われ緊急ピットインし、タイヤを交換して周回遅れでコースに復帰したが、更なるトラブルのため、戦線離脱を余儀なくされ、キャシディ選手が2位に浮上した。
51周を終えたところで、小林選手がタイヤ交換義務消化のためにピットインし、新しいソフトタイヤに交換した後も、順調に順位を取り戻して行った。キャシディ選手は、57周目に平川選手をようやくパスし首位に浮上した。しかし、レースはセーフティカー走行の影響もあり、予定の68周を終える前に1時間半で終了するタイムレースとなることがほぼ確定となり、残り10分を切って59周を終えた平川選手、続いて60周を終えたところでキャシディ選手がピットイン。キャシディ選手は小林選手の前でコースに復帰した後、小林選手と実質5位を争って激しいバトルを展開したが、63周目のリボルバーコーナー進入でインをつこうとしたキャシディ選手が縁石に乗り上げてスピンしたが、幸運にもコースアウトはせず、レースへは復帰したが、ポイント圏外の11位へとポジションを落とした。
残り3分を切って首位の車両がタイヤ交換義務消化のためにピットインしたため、山下選手が首位に立ち、そのまま完走した。この勝利によって、山下選手はランキング8位から4位へ急浮上し、首位との差も8ポイントとし、最終戦でのタイトル争いに加わることとなりました。また、2位には中嶋選手が続き、トヨタ勢が1-2フィニッシュを果たした。4位争いを繰り広げていた小林選手はファイナルラップで他車と接触しコース上にストップ。大嶋選手が8位でポイントを獲得した。
KONDO RACING 3号車 ドライバー 山下 健太選手は、「長かったです。参戦3年目なんですが、なかなか勝てなかったので、本当にほっとしたという感じです。今年からクルマが新しくなって、僕らはQ1を通るのにすごく苦労してきました。チームがすごく頑張って色々解析してくれたこともあって、今大会で1段階クルマが良くなり、上位争いが出来るようなクルマにしてくれました。本当にチームのおかげです。戦略的には、トップと同じ作戦では勝てないと思ってミディアムスタートを選択しました。セーフティカーが絶好のタイミングで出てくれるなど、運もあったと思います。なかなか勝てない中、ずっと支えてくれた監督やチームに感謝しかありません。こうして勝つことが出来て、ようやく次のステップに行けるような気がします。これでチャンピオン争いにも少し加われるみたいなんで、次の鈴鹿も頑張ります」とコメントした。