SUVのニューモデル展開は新規モデルに加えて、さらなる多極化の時を迎えようとしている。今秋から来年にかけミディアム、コンパクト、軽自動車分野で新規、世代交代、追加モデルの設定で、商品ラインアップを強化する方向にある。
コンセプトではクロスオーバー、ラフロードなどに分かれた大きな流れがある。この他注目したいのはミニバン、ショートワゴン、5ドアハッチバックなどにSUVテイストの追加モデルを設定する動きがあることだ。
両側スライドドアのミニバンでは、三菱自動車のデリカD:5がパイオニアとして先行し、軽自動車では2018年12月にスズキがスペーシアギアを設定発売している。
フロントマスクを中心としたエクステリアデザイン、アルミホイール、室内のシートアレンジメント、材質、室内のダッシュボード、荷室スペースなどのつくりやデザインで、遊びクルマ感覚のコンセプトを盛り込んでいる。
ラフロード走行をあまり意識しなくても、SUVテイストで味わえるつくりやデザインであれば、十分なマーケットニーズが見込めそうである。今後こうした商品戦略の手法が、セダンを除く多くの分野に波及する可能性がある。
軽自動車もSUVの二つの流れに加えて、商品ラインアップを強化する方向にある。ラフロードタイプは、これまでスズキのジムニーが唯一のモデルで君臨しているが、これにダイハツが加わる可能性がある。ラダーフレームとは異なるモノコックで対抗するかも知れない。
主流のクロスオーバータイプは、第2世代の時が近づいている。SUVテイストはスペーシアギアやeKクロスに追随する動きも見逃せない。
遠藤徹プロフィール
専門分野はマーケット分析、商品戦略、販売戦略、執筆先:ベストカー、ドライバー、ザ・マイカー、カーアンドレジャー、その他週刊誌など。単行本執筆は約20冊