遠藤徹の業界ココに注目!消費税引き上げ前の駆け込み需要を分析すると?

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10月から消費税が10%に引き上げられる。8~9月は駆け込み需要のピークだが、今回は上げ幅が2%と小幅な上に取得税の廃止、環境税の導入などがあるので、実際は1%台の車種もある。したがって、駆け込みや実施後の買い控えは少ないとの見方もある。

ただ、実際販売店を回ってみると、少なからず駆け込み需要が発生しているのがわかる。それはなぜだろうか。販売店各社がこれを利用して、新車の販売促進活動に活用しているからだ。「消費税引き上げ前に買えば安く買えますよ」とか「特別のサービスがありますよ」などと、来店者に呼び掛けているためそれが成果になっている。

9月に入ると、中間決算セールのキャンペーン企画があるからこちらとも重なり、余計に駆け込みが盛り上がるのは必至の情勢にある。ところが、最近発売したばかりの人気ニューモデルや、9月以降に投入される新型車は一部が予約受注活動を開始しており、これらは殆どが10月以降のナンバー取得で消費税は10%で契約している。これらの受注ピッチもかなり好調に推移している。これをみると買い控えに新型車効果が勝っているといえる。

ただ油断は禁物だ。米中の貿易戦争の影響で日本経済への波及が懸念されている。こうなるとユーザーは新車の購入を先延ばしするように財布のひもを引き締めるように変わってくるかも知れない。消費税引き上げの影響よりもこちらの方が大きいだろう。

しかも、解決までは長期戦であり、じりじりと景気が後退するようだと新車販売の頭打ちも長く続くことになる。販売台数ばかり気にせず、中身を充実させた質の収益向上に力を注ぐ方が得策といえるだろう。

 

遠藤徹プロフィール

専門分野はマーケット分析、商品戦略、販売戦略、執筆先:ベストカー、ドライバー、ザ・マイカー、カーアンドレジャー、その他週刊誌など。単行本執筆は約20冊

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