今年の軽自動車販売実績は、3年連続プラスになることが濃厚となっている。業界予測では190万台を割り込みマイナスになると見ているが、3%程度のプラスになる見通し。1月から5月までの累計では85万7899台で前年同期比2・2%増、5月単月だと14万8782台、9・5%増となっている。
今後、各社の新商品展開は7月からダイハツ、ホンダが主軸モデルを相次いで世代交代するので、さらにマーケットが活況となるのは確実の方向にある。前半で貢献しているのは、スズキが昨年12月に発売したスペーシアギアや、3月末に日産&三菱がデイズ、eKワゴンをそれぞれ一新し、これらの新型車効果が要因として上げられる。今後はさらにプラスの要因が加わるのだから、軽自動車市場は加速気味になる可能性が強い。
マイナス要因は、10月から引き上げられる消費税であるが、軽自動車の場合価格が安く、市場拡大にそれほど足かせにならないのではないかとの見方が強い。であれば、これら新型車効果の方が勢いはあるからプラスを維持すると予想される。
リード役を果たすのはスーパースペースワゴンとハイトワゴンであり、これらの有力モデルが相次いで世代交代しつつあるのが強みである。今後は新世代SUVも登場し、新たな勢力に成長しそうな雲行きになっている。
メーカー別だとダイハツ、スズキのトップ争いにホンダ、日産&三菱連合の第3勢力が追随する図式。つまり全メーカーが参戦している。こうした状況はこれまで久しくなかったことである。これら新型車のできいかんでは、200万台の大台突破が実現することになるかも知れない。
遠藤徹プロフィール
専門分野はマーケット分析、商品戦略、販売戦略、執筆先:ベストカー、ドライバー、ザ・マイカー、カーアンドレジャー、その他週刊誌など。単行本執筆は約20冊