三菱自動車、新旧トップが会見 MMKI・加藤隆雄社長が次期CEOに

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三菱自動車は5月17日、本年株主総会以降(6月21日開催予定)の代表者異動と役員人事を発表。益子修取締役会長CEOが取締役会長執行役(代表執行役)に、PT三菱モータースクラマユダインドネシア〈MMKI〉の加藤隆雄社長が執行役CEO(同)にそれぞれ就任する。ルノー・日産とのアライアンスについては引き続き益子会長が担当し、加藤社長が経営の舵取りを行う。同社は20日、CEO交代の背景や目的について本社で会見を行った。

加藤社長は主に生産畑でキャリアを積み、ロシアでプジョーとの合弁生産事業立ち上げ、さらに現在はタイに次ぐ規模の大きな生産拠点であるインドネシアで計画通りに新工場を立ち上げ軌道に乗せてきた手腕が評価された。

CEO交代時期について益子会長は、主に次の3点を理由に挙げた。①指名委員会等設置会社への移行にあたり、ガバナンス強化を実効性のあるものにするため会長とCEOを分け、監督と執行を分離することが望ましい。②業績が順調に回復しCEO交代の環境が整った。③次期中期計画策定時期であり、その実行に責任を負う次のリーダーに委ねたい。

加藤社長を後継者とした理由は、自動車メーカーの根幹をなすモノづくりに関する知見と誠実な人柄からベストと判断したという。益子会長は「三菱自動車らしさを追求するため、アライアンス活用と集中戦略で競争力を磨き、small but beautiful な企業として成長を遂げていく方向性は“加藤CEO”でもぶれることなく加速してほしい」と期待を述べた。

【加藤隆雄社長 経歴】

1962年2月21日生まれ▽三重県出身▽1984年3月:京都大学工学部物理工学科卒業▽1984年4月:三菱自動車工業入社▽2007年4月:名古屋製作所工作部次長▽2009年4月:ロシア組立事業推進室エキスパート▽2010年5月:PCMA Rus, Limited liability company 出向▽2014年4月:名古屋製作所副所長▽2015年4月:PT Mitsubishi Motors Krama Yudha Indonesia 取締役社長

同社は、監査役会設置会社から指名委員会等設置会社へ移行する(9日発表)。これに伴い、選任される取締役の候補者15名を決定した。このうち12名が社外取締役となっている。また、執行役は12名、うち5名を代表執行役とする予定だ。

【取締役候補者】*は新任

取締役会長:益子 修(現・取締役会長CEO[代表取締役])
取締役*:加藤隆雄(現・MMKI社長)
取締役*:白地浩三(現・常勤監査役)
社外取締役:宮永俊一(現・社外取締役)
社外取締役:小林 健(現・社外取締役)
社外取締役:川口 均(現・社外取締役)
社外取締役:軽部 博(現・社外取締役)
社外取締役:江上節子(現・社外取締役)
社外取締役:幸田真音(現・社外取締役)
社外取締役*:竹岡八重子(現・社外監査役)
社外取締役*:大庭四志次(現・社外監査役)
社外取締役*:佐々江賢一郎(現・日本国際問題研究所理事長)
社外取締役*:園 潔(現・三菱UFJ銀行取締役会長)
社外取締役*:坂本秀行(現・日産自動車取締役、副社長)
社外取締役*:宮川美津子(現・TMI総合法律事務所パートナー)

【代表執行役・執行役候補者】※は執行役兼務の予定

執行役[代表取締役]:益子 修※(現・取締役会長CEO)
執行役CEO[代表取締役]:加藤隆雄※(現・MMKI取締役社長)
執行役COO[代表取締役]:グプタ・アシュワニ(現・COO)
執行役副社長[代表取締役]:池谷光司(現・副社長執行役員CFO)
執行役副社長[代表取締役]:安藤剛史(現・副社長執行役員)
執行役専務:稲田仁士(現・専務執行役員)
執行役専務:辻 昇(現・専務執行役員)
執行役専務:長岡 宏(現・専務執行役員)
執行役専務:服部行博(現・専務執行役員)
執行役専務:カルテイエ・ギョーム(現・専務執行役員)
執行役専務:矢田部陽一郎(現・常務執行役員)
執行役:岩本和明(現・執行役員)