今や希少な存在?新車で購入できるMT車紹介<後編>

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【2020年2月7日更新】記事内容を一部追加・修正しました。

数少なくなったMTに積極的なのはマツダとスズキだが、その他のメーカーも少数ながらもラインアップを用意している。中でもトヨタはラインアップが増えつつあり、今後も期待されるところだ。

<トヨタ>

トヨタは、新型カローラシリーズ及び従来型アクシオ、フィールダー、86、ヤリス、C-HR、ヴィッツGR、コペンGR SPORTにMTを設定。特に注目はカローラやC-HRに搭載されるiMT。MTは初めてという人でも不安なく乗れるのはうれしいところだ。

・カローラ


カローラスポーツ、セダン、ツーリング(ワゴン)の1.2Lガソリンターボ車に6速MTを設定している。この6速MTは、変速・発進操作をアシストする機能が加えられたiMT(インテリジェントマニュアルトランスミッション)と呼ばれるもの。初心者でもスムーズな発進・変速が可能だから、MT車に乗ってみたいが自信がないという初心者にも優しいMTといえる。また従来型のアクシオ(セダン)、フィールダー(ワゴン)とも、ガソリン「EX」グレードの2WD車に5速MTが設定されている。

カローラスポーツ(6MT)試乗記はこちら

・ヴィッツGR


通常のヴィッツはCVTのみの設定だが、スポーツバージョンの「GR SPORT」「GR SPORT“GR”」には5速MTが設定されている。パワーユニットはノーマルの1.5Lと同じだが、ボディや足回りは強化され、専用シートやエアロパーツを装備するスポーツモデルだが、価格はGR SPORTで207万6840円、GR SPORT“GR”でも229万2840円と比較的手頃なので、人とは違ったヴィッツにしたいという人にもおすすめだ。

・トヨタ86


トヨタとスバルの共同開発車として誕生したスポーツモデル。2L水平対向エンジンを搭載したFR駆動のスポーツ車で、トランスミッションは6速MTと6速ATを搭載している。FRスポーツの入門モデルとしても最適な1台だ。

・ヤリス

ヴィッツの後継として登場したコンパクトカー。1.5Lハイブリッド、1.5Lと1Lのガソリンエンジンを搭載するが、このうち1.5Lガソリン車に6速MTを設定。キビキビとした走りが楽しめそうだ。またハイパフォーマンスモデルのGRヤリスも、もちろんMTである。

・C-HR

個性的なスタイルが魅力のコンパクトクロスオーバーSUV。19年10月のマイナーチェンジで1.2Lターボ車に6速iMTが設定され、より走りが楽しめるようになった。

<日産>

日産で設定があるのはフェアレディZ、ノートNISMO S、マーチNISMO Sの3モデル。要はスポーツモデルに残るのみだ。ただノート、マーチはちょっとハードなNISMOバージョンといえど、実用車としても使えなくはない。

・フェアレディZ


3.7Lエンジンを搭載する2シーターのスポーティモデル。トランスミッションは6速MTと7速ATを選択できる。大排気量の国産スポーツでMTが選べるのは、このフェアレディZのみとなってしまった。

・ノートNISMO S


標準のノートはCVTのみ、e-POWER車に至ってはトランスミッションそのものがないのだが、ノートのハイパフォーマンスバージョンである「NISMO S」は専用1.6Lエンジン+5速MTを搭載。さらに専用のサスペンションやシャシーのチューニングが施されたホットモデルだ。ちなみに「S」が付かないただの「NISMO」バージョンもあるが、こちらは通常ノートと同じ1.2Lエンジン+CVTの組み合わせだ。

・マーチNISMO S


こちらもノートNISMO S同様、スポーティな専用仕様。通常マーチが1.2L+CVTなのに対し、NISMO Sは専用チューンの1.5Lエンジンと5速MTを搭載する。とはいえ価格は約184万円と手軽なので、モータースポーツ入門者にもオススメ。

<ホンダ>

ホンダはシビック、S660に設定。シビックはタイプRとハッチバックに設定されている。フィットは先代モデルまで設定があったが、新型では廃止されてしまった。以前はCR-Zなどハイブリッド車でもMTが選べるモデルがあったが、現在は設定がないのが残念なところである。

・シビック


セダン、ハッチバック、タイプRと3車種あるが、セダンにはMTの設定はなく、ハッチバックかタイプRということになる。ハッチバックの6速MT車はCVT車に比べ過給圧を高めて加速フィールを向上させるなど、スポーツ寄りの性格を強めている。

・S660


スポーツ志向の強い2シーター・ミッドシップレイアウトの軽オープンスポーツ。MTは軽自動車では初となる6速MTを採用しており、これだけでも選ぶ価値があるモデルだ。

<SUBARU>

「WRX STI」が販売終了となり、現在は「BRZ」のみ。が、そのBRZも7月20日で注文受付を終了する。

以前はMT車の設定が多いメーカーという印象があったが、世代交代とともに急速に減ってリニアトロニックと呼ぶCVTに集約。MT派には寂しい状況だ。

 

<ダイハツ>

ダイハツは、コペンのみ。コペンは楽しい軽オープンスポーツだが「ペダル踏み間違いの防止云々~」という観点で見ると、ちょっと方向性が違う感がするのは否めない。かつてはベーシックなミラにも設定されていたが、18年で販売終了となってしまった。ちなみに実質的な後継車である現在のミライースは全車CVTである。

・コペン


ローブ、Xプレイ、セロの3ボディタイプのいずれも5速MTを設定。1・2速にダブルコーンシンクロを採用したケーブル式シフトとすることで、心地よいシフトフィーリングが楽しめる。トヨタからも「GRコペン」として販売中。こちらも5速MTを搭載している。

<三菱>

三菱はMTが少ないというよりも、現状、乗用車のラインアップには設定車がない。何とも寂しい限りである。かつては4速MT+2段副変速機を組み合わせた「スーパーシフト」といった特徴あるMTを搭載していたこともあるメーカーだけに、復活を期待したい。

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