デンソー、一般向け工場見学ツアーに排水浄化施設見学コースを新設

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ナゴヤドーム八つ分に相当する敷地面積を誇る高棚製作所

デンソー高棚製作所(愛知・安城市)は、一般向け工場見学「TAKATANAファクトリーツアー」に、「浄化施設見学コース」を新設。4月から公開の先立ち3月19日、報道関係者にその内容が公開された。

高棚製作所は1974年に操業を開始し、敷地面積はナゴヤドーム八つ分に相当する37・5万平米を誇る。この中に自動車用メーターやミリ波レーダー等の生産拠点や研究施設をはじめ、体育館、サッカー場、排水処理場、ビオトープ等がある。

今回新設された浄化施設見学コースは、高棚製作所から排出される工業系・生活系排水の浄化過程の一部をスタッフによる解説付きで見学できるもので、主に小学生高学年を対象にしている。スタート地となるプレゼンルームでは、排水浄化過程、施設概要の映像を視聴し、その後、実験と屋外施設見学の2班に分かれてツアーを行う。

屋外の浄化施設にはツアー専用通路が設けられ、浄化を行う各過程の設備を間近で見学できるほか、プレゼンルームで行う実験では浄化で使用する薬品や微生物の働きを見ることで、排水から工場外に放流するまでの過程をわかりやすく楽しみながら学べるようにした。

最大で12の工程を経て、排水は川に流せる状態まで浄化され、製作所内の鯉の池にも利用されている。なお、高棚製作所では1日当たり900~1000トンを浄化し川等に放流しており、これは一般的な学校にあるプール2杯分の量に相当するという。

浄化された水は製作所内の鯉の池にも利用されている

吉田光宏所長(写真左)は「工場では大量の排水が発生するが、ツアーではどのように浄化し自然に戻すかを理解してもらう。環境教育の一環として、わかりやすく楽しく学べる見学コースができた」と新コースの手応えを語った。

TAKATANAファクトリーツアーは昨年7月、同社初の一般向け工場見学として開設され、自動車部品の歴史や最新のモノづくりを学ぶことができるものとなっており、これまで延べ5000人を超える来場者を記録している。

ツアーは個人でも見学可能なメーター見学コース、今回の新コースとメーター工場見学コースをセットにした団体(21名以上)専用コースを設け、見学には事前予約が必要となる。詳細は予約サイトを参照(https://takatana-ft.com