トヨタの「コネクティッドカー」第1弾として、新型クラウンとともに登場したのがカローラスポーツだ。5ドアハッチバックのボディスタイルは、カローラとしてはランクス以来となるが、実質的にはオーリスの後継にあたるモデルである。 ボディサイズは全長4375×全幅1790×全高1460㎜。現行アクシオ、フィールダーと比べるとかなり大きいサイズとなる。特に全幅は5ナンバーサイズを超え、カローラとしてはルミオンに続く3ナンバーサイズとなった。車両の前後を絞り、低く構えたスタイルはなかなか精悍だ。全幅を拡大したことで全体の均整がとれており、迫力も感じさせる。
室内はインパネ周りの素材にもこだわり、このクラスとしては上質といえるだろう。デザインとしてはシンプルにまとめ、過剰な装飾が抑えられているのも好印象だ。操作系の配置はオーソドックスだが、その分扱いやすい。またシートの出来も良く、ホールド性と座り心地をバランスよく両立させている。
ただ後席はやや狭い。頭上の余裕はあるが、足元空間が窮屈なことに加え、リヤドアが小さくかつ開口角度が狭いため、隙間から入るようなイメージになる。また荷室もあまり広い方ではない。
走りは、スッキリしていてクセがない。TNGAプラットフォーム採用車としてはプリウス、C-HRに続く第3弾となるだけに熟成が図られ、穏やかで素直な挙動である。車名にはスポーツと付くが、扱いやすさを優先させた印象だ。ステアリングやブレーキのフィーリングも軽く、街中でも運転しやすい。また静粛性も高く、この点でも従来のカローラとは一線を画する仕上がりだ。
エンジンは1.8L+モーターのHVと、1.2Lターボを搭載するが、軽快感では1.2Lターボ、全体のバランスではHVといった印象。どちらも必要十分なパワーを備えているので、日常の中で不満を感じることはないだろう。上質で心地よいドライブを楽しむのに最適なモデルだ。(鞍智誉章)