4月6日にフルモデルチェンジした新型XVは、BセグメントとCセグメントの中間に位置する全長4465㎜全幅1800㎜全高1550㎜のクロスオーバーSUV。スポーツカジュアルをコンセプトに街乗りからレジャーまで使えるクルマとして幅広いユーザー層に訴求するモデルだ。
エンジンラインナップは、最大出力115PS/最大トルク148Nmを発揮する1・6ℓと、同154PS/196Nmを発揮する2・0ℓの2タイプ。今回はこの両モデルに試乗した。
先代と比べ、エクステリアはキープコンセプトなので全体の印象はあまり変わらない。一方、インテリアは大きく変更。ナビディスプレイの上にあったベンチレーターの吹き出し口が、ナビの左右に移動。ハザードランプの位置もナビ上から下の空調操作ボタン付近に配置され、操作系が一カ所に集約し、直感的に操作できるようになった。また、シフトノレバーやステアリングの形状も変更され、より手になじむ形となった。
さらに、2・0ℓモデルには、オレンジ色のステッチがアクセントとして加えられるが、先代と同様にステアリング、シフトレバー、シートのほか、新たにダッシュボードにも加えられ、全体的に高級感を増した印象を受けた。
今回の試乗は、特設コース内。低・中速域中心の試乗となったが、1・6ℓ、2・0ℓとも走行性能に不満はない。プラットフォームとパワーユニットは、インプレッサと同じものだが、XVの方が全高(70㎜)が高く、車両総重量(約60㎏~120㎏)が重いため、軽快な初速はインプレッサの方が有利。しかし、コーナーを抜けたときのリヤの落ち着いた挙動や、ロール角の低さは重心高の高いSUVとは思えないほど安定しており、フットワークの良さはXVの方が上の印象を受けた。
開発陣によれば、インプレッサと基本の設計・思想・構造は同じだが、フロント・リヤともにスペーサをかさ上げし、それに合わせてストラット&コイル姿勢をセッティング。また、車重が増加するのに対応してスタビ径の変更等で専用の足回りとなっているという。
先代のXVと比べると、路面の凸凹を乗り越えたときの振動の収まり方が非常にスムーズ。しなやかな足回りが路面から伝わる衝撃を上手く吸収するため、車内に尖った衝撃が伝わることはない。また、車高が高くなったことでヒップポイントも高くなり、開けた視界を確保。後方の視界も容易に確認でき、ストレスフリーでロングドライブも楽しめそうだ。
日常では、2・0ℓモデルと1・6ℓモデルで気になるほどの違いはない。しかし、2・0ℓモデルには、SI-ドライブと悪路での走破性を高めるXモードが標準装備になっているため、買い物等の普段使いよりも旅行やアウトドアのレジャーに活用したい人には、2・0ℓモデルをおススメする。