BMWX4のトップモデル「X4M40i」は、“M135i”、“M235iクーペ”に続くMパフォーマンスオートモービル第3弾モデル。同社の高性能スポーツカーを開発するBMW M社が手掛けるスポーツ・アクティビティ・クーペモデル(SAC)として、日常生活における高い実用性と、比類なきスポーツ性を備えている。
試乗車として用意されたX4M40iのボディカラーは、青い海を連想させるロングビーチブルーで、全長4680㎜、全幅1900㎜、全高1625㎜の堂々としたスタイリング。特に左右の大型エアインテークに配されたエアロパーツがフロントマスクの存在感を強調している。
パワーユニットは、X4xDrive35iに搭載されている3リッター直列6気筒ターボエンジンをベースに、過給圧アップや吸気抵抗の低減を図ったほか、鍛造クランクシャフトやオイルクーラー、M3/M4とコンポーネントを共有するスパークプラグを採用することで、パフォーマンスをさらに向上。最高出力はX4xDrive35iから54PSアップした360PS、最大トルクは65Nmアップの465Nmを出力。
エンジンを始動すると、“ボウン”っと少し大げさな音が伝わってくる。アクセルを踏み込めばパワフルなトルクが十分に発揮され、活発な吹け上がりを体感できるとともに、心地よいエキゾーストノートがスポーティな走りを際立たせていた。
足回りはやや硬めな印象を受けたが、路面の凸凹を乗り越えた時のショックはうまく吸収され、ドライバーに尖った衝撃が伝わることはない。フラットな乗り心地でロングドライブも快適にこなせそうだ。
また、ドライビングパフォーマンスコントロールを「SPORT」モードにすると、パワートレインだけでなくシャシーの設定も変更される。足回りはより引き締まった印象となり、ステアリングホイールの手応えも増し、まるで高性能なスポーツカーに乗っているかのような感覚を楽しめる。
さらに、BMWの四駆システム「xDrive」は、リヤにトルク配分を多くするM40iの専用設計。これは、ステアリングの切れ角やホイールの回転速度などのデータを収集し、オーバーステアやアンダーステアなどの兆候を感知すると、システムが電子制御式多板クラッチを装備したトランスファーギヤボックスから瞬時に前後輪へのトルク配分をコントロールするもの。ドライバーが道に不慣れであっても、スポーティな走りを実現するため、最高のサポートをしてくれる優れたシステムだ。