3月2日のミニの日に発売された新型MINIコンバーチブルは、現行モデルのMINI3ドアをベースにした三代目オープンモデル。ラインナップは、1・5ℓ直列3気筒のクーパー、2・0ℓ直列4気筒のクーパーS、そしてクーパーSのエンジンをさらにチューニングし、5月下旬に発売予定のジョンクーパーワークスの全3モデル。今回はクーパーSに試乗した。
丸目型のヘッドランプに六角形のフロントグリルなど、MINIのアイデンティティを継承したエクステリアデザイン、インテリアも円をモチーフにしたインストルメントパネルやトグルスイッチなどは踏襲しているが、ソフトトップ周りは大きく変わっていた。万が一の横転時に自動的にせり出すロールオーバー・バーが先代までは若干飛び出ていたが、見えないようにボディ内側にしっかり収められた。後方視界がよりクリアになり、2代目よりオープンカーらしいスタイリングだ。
電動式ソフトトップの開閉時間は先代と変わらず18秒。信号待ちの間に開閉できるが、途中で信号が青になったとしても30㎞/h以内なら走行中でも開閉可能なので安心だ。
オープンモデルは、ルーフをオープンにすれば走行中に陽の光や風を直接感じられる爽快なドライビングが特徴だが、一方でクローズ状態にすると途端に窮屈さを感じてしまうものも多い。残念ながら試乗日は雨がぱらついており、走り始めはクローズ状態での走行となった
しかし、MINIコンバーチブルの室内には充分なゆとりがあり、窮屈感や圧迫感はほぼ感じなかった。先代と比べ後席空間を若干拡大(横方向に約30㎜、前席との足元スペースを約40㎜拡大)したことや、寝かせすぎてないAピラーによりクローズ状態でもストレスを感じることなく運転できる。これなら雨天時だけでなく、他車の排気ガスが気になる高速道路などでもクローズ状態にして快適な走りが楽しめるだろう。
MINIコンバーチブルには、アクセル、ステアリング、足回りの動作特性を切り替える“GREEN”、“MID”、“SPORT”の三つの走行モードがある。一般道では、効率的な走りを目指したというGREENモードがおすすめだが、高速域では是非SPORTモードを体感してもらいたい。やや硬めな足回りにリニアに反応するステアリング、アクセルを踏込めば、最高出力192PS/最大トルク280Nmを発揮し、力強く加速する。MINIのゴーカートフィーリングを味わいながら、爽快なドライビングを楽しめるモデルだ。