三菱の看板車種であるアウトランダー/アウトランダーPHEVが今年6月、ビッグマイナーチェンジを行なった。今回の改良ではフロントフェイスを一新した他、ボディ剛性やサスペンション取り付け部の剛性を向上、また、吸音材や遮音材、制振材やダイナミックダンパーの追加など多くの改良が施されている。
今回は、PHEVとガソリンの両モデルに試乗できるということなので、PHEVから試乗した。
さっそく乗り込んでみると、ドアを閉めた瞬間に外界からシャットアウトされたような静けさに驚かされる。走行中も風きり音やロードノイズなどの無駄な音は抑えられており、静粛性は非常に高い。走行モードによって違いはあるが、エンジンメインでモーターがアシストするパラレル走行モードでも、エンジンのノイズは感じられず、モーターのみで走っているのではと思えるほど滑らかな走りだった。
全体の乗り味としては、低速域からキビキビと走る印象。発進時も、トルクの厚いEVならではの軽快感があり、音もなくスムーズに加速する。足回りはしなやかで同乗者にも負担のかからないマイルドな乗り心地で日常使いはもちろん、ロングドライブの相棒としてもふさわしいだろう。
アウトランダーと言えばPHEVのイメージが強いが、一方で、ガソリンモデルも魅力的だ。今回試乗したのは、4WDの2・4ℓエンジン搭載車。最高出力169PS、最大トルク220Nmを発揮する。
PHEVと比べれば、モーターのアシストが無いため出だしの軽快感はやや劣るが、低速域から充分なトルクを発揮し、スムーズな走りを見せた。旧型よりコーナーでの無駄な挙動が抑えられ、ステアリングへの反応も正確性が向上した印象だ。
ガソリンモデルの見逃せない特徴は、PHEVと基本的なプラットフォームを同一にしながら、エントリー価格は251万9640円と手頃な価格設定になっていること。さらに、バッテリーやモーターなどを積載していないので、7名の乗車が可能なことも魅力といえる。
燃費や静粛性の高さなどはPHEVの方が上回るが、ガソリンモデルも幅広い使い方が可能な実力モデルである。