トヨタ、プライムアースEVエナジー株式会社の社名を「トヨタバッテリー株式会社」に変更

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トヨタ自動車は10月1日、プライムアースEVエナジー株式会社の社名を「トヨタバッテリー株式会社」に変更したと発表した。また、社名変更を記念して、本年より稼働を開始した新居工場(静岡県湖西市)にて「出発式」を開催。出発式には、トヨタバッテリーの岡田政道社長、湖西市の影山剛士市長、トヨタ自動車の豊田章男会長が出席した。

新居工場(静岡県湖西市)では、第1工場において本年2月からHEV用バッテリーの生産を行っている他、第2工場および第3工場の稼働も予定しており、同社の主力拠点の一つになることが見込まれている。

 

<トヨタバッテリーの岡田政道社長のコメント>

トヨタバッテリーの岡田でございます。一言ご挨拶申し上げます。

本日はお忙しい中、出発式にご臨席を賜り、誠にありがとうございます。創業から今日に至るまで、地域、行政、トヨタの皆様方より多大なご支援をいただき心よりお礼申し上げます。

◆出発に至るまでのご尽力への感謝

本日、私どもはこの湖西の地で、トヨタバッテリーとして次の道への出発点を迎えました。ここ湖西市は、豊田佐吉翁に始まるトヨタグループの原点でございます。

豊田会長は、この先人の歴史をとりわけ大切にし、今に伝え、未来につなげていく努力を続けられており、私どもには到底語りつくすことのできない想いを巡らせながら、この地における弊社を見守り、この度の完全子会社化とトヨタバッテリーへの社名変更をご決断いただいたことと存じます。本日、この歴史的な出発点を迎えられましたことに心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

◆トヨタのクルマづくりにおけるトヨタバッテリーの使命

さて、自動車業界に目をやりますと、混沌とし、先を見通すことが大変難しく、短い間に様相が激変してしまうようなことも起こっています。世界の地域施策やカーメーカーの経営戦略も振れ幅の大きな変更を余儀なくされる例を目にする機会が増えてきました。そのような中で、マルチパスウェイ戦略を貫き通し、ぶれない軸として歯を食いしばっているトヨタに対し、この難しいかじ取りを、少しでも楽にできないか、それを電池で実現できないか、これが、私ども完全子会社の使命と考えております。

ハイブリッド、プラグインハイブリッド、EV、さらには燃料電池車の2次電池としてマルチパスウェイ戦略に貢献することは言うまでもなく、トヨタが情熱を傾けて開発し続ける水素エンジン車に向けても、航続距離を伸ばし、水素タンクを小型化することに、電池の力で寄与できないか、全方位で支えたいと願っております。必要な選択肢を、必要な時に、必要なだけ用意するトヨタらしいモノづくりを追求し、さらに、四半世紀にわたって「電池屋」として培ってきた“安全性と品質への信頼”という商品力は絶対の価値として今後も変わるものではありません。

◆PEVEの歩みと湖西市のご尽力への感謝

次に、私どもの歴史に目を転じますと、1996年に誕生し、「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーと共に誕生した初代プリウス用電池の生産を開始しました。その後トヨタが世界に先駆けたハイブリッド車によって続けてきたCO ₂削減の努力は、カーボンニュートラルという言葉の無い時代からコツコツと積み重ね、世界に比類ない実績となっています。今年、その初期の円筒型電池の補給生産が終了し、終着と出発が重なり合ったことに歴史の因果のようなものを感じます。

タスキは繋がりました。この初代プリウス用の電池ラインは、初期のベンチャー精神に立ち返る場所として残し、後世につないでいきたいと思います。

一つの役割を終えた象徴が円筒型電池ラインとするならば、新たな役割の幕開けとなる象徴が、本日お越しいただいているここ「湖西バッテリーパーク」と言ってよいと思います。その誕生前から、静岡県や湖西市の皆様方から絶大なご支援をいただき、土地の取得、道路の整備など、円滑に進めることができました。

影山市長様におかれましては、一貫して温かなご支援とご指導を賜り、トヨタバッテリー、湖西バッテリーパークと調和する「バッテリーロード」という名の道も整備していただきました。心よりお礼申し上げます。

◆出発点に立った心構え

結びに、混沌とした難しい時代にあってもなお、地域やユーザー本位に考えるトヨタのクルマづくりに、電池事業を通じて貢献し、湖西の地に相応しい、ベンチャー精神に満ちた会社として成長していくよう、本日を出発点として、一層の精進を続けてまいりますことを誓い、挨拶の言葉とさせていただきます。 ありがとうございました。

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