一般財団法人トヨタ・モビリティ基金（Toyota Mobility Foundation、以下「TMF」）は8月2日、米国カリフォルニア州サンノゼ市とUS Igniteと共同で、すべての人にとって道路を安全で渋滞の少ないものにすることを目的に、先進的な人工知能（AI）とコンピュータービジョン技術を活用したプロジェクトを開始したと発表した。
同プロジェクトは、2025年12月までの期間で自転車や歩行者等、交通弱者に影響を及ぼす可能性のある道路障害物やその他の道路上の危険を自動的に検出し、撤去することに取り組む。
US Igniteは、地域社会が技術革新の難題に取り組むことを支援する非営利団体。今回のプロジェクトでは公共安全、交通、ネットワーク通信、市民参画、AIに関するリソース等の専門知識によりサンノゼ市を支援する。
サンノゼ市では、自転車専用レーンへの違法駐車や、マットレスや家具などの廃棄物の投棄が道路利用者にとって大きな危険となっていることが課題となっており、同問題に対処するため、今回のプロジェクトでは市民のプライバシーを守りながら、AIとコンピュータービジョン技術を活用し自転車専用レーンの障害物を迅速に特定し、撤去につなげることにより、市民サービスの向上・改善に取り組む。
100万人近い人口を擁するサンノゼ市は、米国で最も多様性に富んだ大都市のひとつであり、北カリフォルニア最大級の都市。世界的なイノベーションの中心地へと変貌を遂げ、その結果、世界最大級のテクノロジー企業や専門知識が集積しており、今回の取り組みでは、サンノゼ市の安全性、公平性を優先する「San José 2025 Better Bike Plan」や、交通死亡事故と重傷者をゼロにする「Vision Zero San José」に沿って実施される。
なお、今回のプロジェクトは2021年よりTMFが取り組んでいるモビリティシステムに関するプロジェクトである「Together in Motion」のひとつで、ステークホルダー（行政、公共機関、民間、非営利団体）と協働で、モビリティのイノベーション促進や、先進モビリティ技術の研究開発推進をコンセプトに定めている。
