日産自動車、「対向式ダイレス成形」の成形精度を向上させる研究が「品質工学賞発表賞 金賞」を受賞

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日産自動車は7月9日、公益財団法人 精密測定技術振興財団主催の「第32回品質工学研究発表大会」において、日産が開発した金型を使用せずにボディパネルを成形する技術「対向式ダイレス成形」の成形精度を向上させる研究が、「品質工学賞発表賞 金賞」を受賞したと発表した。

品質工学賞発表賞は、品質工学の研究を奨励し、技術の発展と社会の充実に貢献することを目的として、精密測定技術振興財団が贈呈している賞。

日産が実用化した対向式ダイレス成形は、棒状の成形工具を取りつけたロボットが、パネルを徐々に変形させて成形する「インクリメンタル成形」技術を用い、工具を対向側にも配置することで複雑な形状の成形を可能とした工法。従来のプレス成形に比べて多品種少量生産に適しており、同社では現在、生産が終了した旧型車の補修部品の成形に適用している。

今回の受賞テーマは“インクリメンタル成形におけるパネル成形精度向上に向けた反り抑制条件の設定”で、同工法で成形したパネルの反りを抑制し、パネル成形精度を向上させた点が高く評価されたとしている。具体的には、品質工学を活用した実験により、成形後にパネルが反るメカニズムを解明するとともに、工具の形状や動かす速度といった成形時の各種条件を、高いロバスト性と効率性を両立させて最適化したことにより、成形後のパネルの反りを抑制して、寸法精度を大きく向上した。

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