三菱自動車と日立製作所（以下「日立）は9月25日、電動車の使用済みリチウムイオン電池（以下「リユースバッテリ」）を活用した可動式蓄電池「バッテリキューブ」の共同実証開始を発表した。
この実証は、三菱自動車が販売するプラグインハイブリッドEV「アウトランダーPHEV」のリユースバッテリをバッテリキューブに搭載。広域災害等による停電を想定し、株式会社日立ビルシステムのV2Xシステムと、バッテリキューブをCHAdeMO V2Hコネクタで接続し、日立標準型エレベーター「アーバンエース HF」を、バッテリキューブからの給電で駆動。V2H機能搭載の電動車からの給電に加え、バッテリキューブからの給電を組み合わせることで、企業における災害発生時の継続的なバックアップ電源確保への貢献を目指す。
日立が2021年から開発を進めている、電動車のリユースバッテリを活用した可動式蓄電池のバッテリキューブは、CHAdeMO V2H規格を採用することで設置工事が簡易なこと、クラウド上の遠隔監視システムによりリユースバッテリの稼働状態をリアルタイムに管理できること、様々な車種（乗用車・トラック等）や電動車メーカーのリユースバッテリ搭載を想定した設計を行っていること等が特長として挙げられる。
三菱自動車と日立は、電動車バッテリのリユースとバッテリキューブの事業化を2024年度に開始することを目標に、双方連携して企業や自治体などへのバッテリキューブ導入を推進する。さらに、再生可能エネルギーの有効活用に向けて、電動車やバッテリキューブと太陽光パネルなどを連動させるエネルギーマネジメントの共同実証の実施も予定。この他、電動車バッテリを再利用するだけでなく、その後の再資源化に至るまでの構想を検討し、電動車バッテリにおけるサーキュラーエコノミーの実現を目指している。
