トヨタ自動車は8月2日、新型ランドクルーザー“250”シリーズを世界初公開するとともに、ランドクルーザー“70”の今冬の日本再導入を発表した。ランドクルーザー“250”の国内導入については、特別仕様車の“ファーストエディション”を含め、2024年前半の発売を予定している。
1951年に誕生したランドクルーザーは、“どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ”というコンセプトの基、優れた耐久性や走破性、高級感のある室内空間等を特徴とした、同社を代表する大型SUV。現在までに約170の国と地域での累計販売台数は1,130万台(レクサス LX、GX含)に達するという。
ランドクルーザーはこれまで、常に最新技術を導入したフラッグシップモデルのステーションワゴン(“300”シリーズ)、高い耐久性、走破性が求められるヘビーデューティーモデル(“70”シリーズ)、悪路走破性をベースに扱いやすさと快適性を持ち合わせた実用的なライトデューティーモデル(“プラド”)の3シリーズを展開。
世界初公開したライトデューティーモデルの“250”シリーズでは、今まで高級・豪華な路線にシフトする傾向にあった開発において、“人々の生活、地域社会を支えるためのクルマであるべきで、より多くの人の生活を支えるライトデューティーモデルはユーザーが求める本来の姿に戻す必要がある”という豊田章男社長(当時)の考えの基、“The Land Cruiser : 質実剛健を追求し、カユーザー生活と実用を支え、ユーザーに信頼されるクルマ”という、ランクルの原点に回帰するコンセプトで開発が行われた。
ランドクルーザー“250”では、仕向け地別に以下の5つのパワートレーンを用意。ランクル初のハイブリッド車(HV)も設定した。
[北米・中国向け]最高出力330PS/最大トルク630Nmを発生する2.4リッターガソリンターボハイブリッド“T24A-FTS”搭載、8速AT(Direct Shift-8AT)採用モデル
[中近東・東欧・その他地域向け]281PS/430Nmを発生する2.4リッターガソリンターボ“T24A-FTS”搭載、8速AT(Direct Shift-8AT)採用モデル
[豪州、西欧向け]204PS/500Nmを発生する2.8リッターディーゼルターボ(48Vシステム)“1GD-FTV”搭載、8速AT(Direct Shift-8AT)採用モデル
[西欧・東欧、日本・中近東、その他地域向け]最高出力204PS/最大トルク500Nmを発生する2.8リッターターボディーゼル“1GD-FTV”搭載、8速AT(Direct Shift-8AT、一部国・地域で6ATを継続設定)採用モデル
[東欧・日本・その他地域向け]最高出力163PS/最大トルク246Nmを発生する2.7リッターガソリン“2TR-FE”エンジン搭載、6速AT(Super-ECT)採用モデル
また、ランクルの中核モデルとして、“300”シリーズと同じGA-Fプラットフォームを採用し、悪路走破性を大幅に向上するとともに、オンロードも含め優れた操縦性や快適性を実現。具体的には、大幅な剛性強化によりフレーム剛性を+50%、車両全体の剛性が+30%向上した他、サスペンションの基本性能を向上したことにより悪路走破性の指標となるホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)を向上。さらに、電動パワーステアリング(EPS)や、トヨタブランドとして初採用となるSDM(Stabilizer with Disconnection Mechanism )により、オフロードでの悪路走破性、オンロードでの操縦安定性等を実現。マルチテレインモニター/マルチテレインセレクト機能の拡充によりオフロード走行支援を向上した。
また内外装では、Reliable(過酷な使用用途にも耐えられる信頼性)、Timeless(永く愛せる飽きのこないシンプルさ)、Professional(プロが使う、無駄のない道具に共通する洗練された機能美)をキーワードに、伝統とモダンを融合したデザインを採用。
外観では、視界やクルマの挙動が分かりやすいようベルトラインを低く水平基調とし、シンプルでありながら力強い存在感を強調。内装では、高級感のあるデザインからリアルオフローダーらしい機能性を強調するデザインへと進化。低く設計されたカウルと水平基調のインストルメントパネル、操作しやすいスイッチ形状を採用する等、機能性を追求した。
継続販売モデルとして今冬に国内再導入を予定しているランドクルーザー“70”は、従来のガソリンエンジンから最高出力204PS/最大トルク500Nmを発生する2.8リッターディーゼルターボエンジン“1GD-FTV”へとパワートレーンを一新。6速AT(6 Super ECT)が組み合わされ、力強い動力性能、低燃費、優れた静粛性・低騒音を実現。また、優れた耐久性のラダーフレームの継続採用により、高いオフロード走破性とオンロードでの乗り心地を両立している。
<ランドクルーザー“250”>
<ランドクルーザー“70”>