【遠藤徹の業界ココに注目】軽自動車に新世代の波

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今秋から来春にかけて、軽自動車に新世代の波が押し寄せる趨勢となっている。ホンダ、ダイハツ、スズキの有力3社を中心に、マーケットで最も大きな成長株のひとつである両側スライド開閉ドア仕様のスーパースペースワゴン、ハイトワゴンの新世代モデルが相次いで登場する見通しになっているためである。

これまでは最も背の高いスーパースペースワゴンのみであったものが、スイング開閉ドア仕様であったハイトワゴンが両側スライドドアに切り替え、新しい市場開拓に乗り出しつつある。従来のスイング開閉ドアよりも、利便性が高いのが売りとなっている。ダイハツが先鞭をつけ、スズキが追随し、他メーカーも開発に乗り出す構えを見せている。

スーパースペースワゴンは、N-BOXを筆頭に世代交代の時期を迎えている。これまでスポーツ&上級バージョンと標準の2タイプ構成に加えて、SUVテイストを中心とした新バージョンがラインアップに加わり、マーケットはさらなる拡大を目指している。

ハイトワゴンの両側スライドドア仕様はダイハツがムーヴキャンバスで先鞭を切り、これにワゴンRスマイルが加わったが、これまでのスイング開閉は継続生産、販売をしていた。これを次のフルモデルチェンジではシリーズ全体を両側スライドドア仕様に切り替える方向にある。

ホンダ、日産、三菱自動車陣営が追随すればさらにマーケット拡大につながり、今後はスーパースペースワゴンvs.ハイトワゴンの主導権争いが激化することになりそうだ。スーパースペースワゴンよりも若干背の低いハイトワゴンの方が走行安定性に優れるために、今後急速に追い上げを見せる可能性がある。

(遠藤 徹)

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