【エコツアーに行こう!】ミュージアムパーク茨城県自然博物館(茨城県坂東市)

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館内だけでなく野外でも体験を

茨城県自然博物館は、日本を代表する自然史系博物館のひとつ。「過去に学び、現在を識り、未来を測る」という基本理念のもとに平成6年に開館している。

エントランスで迎えてくれるのは世界最大級のマンモスや、全長26mの白亜紀の竜脚類、ヌオエロサウルスの骨格、第2展示室へ向かえば、動く恐竜のジオラマ。これは最新の研究成果を反映させていて、ティラノサウルスには羽毛も再現されている。子どもでなくても、思わず歓声を上げてしまう展示の数々。見るだけでなく、隕石を持ち上げてみたり、実物の恐竜の骨化石にさわってみたり、体験要素を取り入れた展示がいっぱいだ。

「過去」の象徴として茨城県自然博物館のシンボルマークにも描かれている松花江マンモスの骨格レプリカ

用意されている展示のセルフガイドを利用したり、スマホに「ポケット学芸員」のアプリケーションをダウンロードして、情報を取り入れつつ見学するのもいい。宇宙の不思議にはじまり、地球の歴史、自然のしくみ、生命のしくみ……県立博物館だけに、茨城の自然環境の現在についても充実している。6月11日までは「いのちの色──世界をいろどる生きものたち──」という企画展も開催中だ。

学びの対象になるのは館内だけではない。この博物館は県内最大の自然環境保全地域、菅生沼のほとりにあって、約16haもの敷地面積を誇っている。屋外に出れば、そこは生きた展示スペースなのだ。かつての谷津田に湧水を引いて作られた「とんぼの池」では水生植物や水生生物が観察できるし(ただし採集は不可)、「花の谷」で季節ごとの花を楽しむのもいい。五つのネイチャートレイルコースの出発・終点となる「自然発見工房」が、野外活動の拠点となっている。

自然ラボとして開催されている、タチスミレの観察会。菅生沼が貴重な生育地となっている絶滅危惧種だ。今年は5月27日に予定されている

エコツアーとして考えた場合、イベントの充実度も魅力だ。博物館スタッフが自然に関する話題についてわかりやすく紹介する「サイエンストーク」、野外の自然を観察したり、館内でワークショップや講義などを行う「自然ラボ」、ボランティアによる子ども向けの体験型イベント「子ども自然教室」、親子向けの参加体験型イベント「わくわくディスカバリー」など多彩。その多くは開催日の前月1日からの事前申し込みで先着順となっているので予約は早めに。ただし展示室のガイドツアーやネイチャーガイドなど、当日申し込みできるものもある。

ここ数年はコロナ禍の影響で一時は休館になったり、イベントが中止になったりしたこともあったが、今年になってはほぼ復活。今のところ土日祝日および特定日(GW期間の平日、お盆期間など)については、入館に事前予約が必要となっているものの、その分混雑を避けてゆったり楽しめるはずだ。

いずれにしても、ここは一日だけでは見切れないスケール。茨城県といってもほぼ南端に近く、マイカーなら都心から1時間程度の距離だし、その日のテーマを決めてじっくり楽しむのがオススメだ。年間パスポートでも一般1570円だから、季節ごとに訪れてその時期ならではの自然に出会おう。

(上田 泰久)

【問い合わせ先】茨城県坂東市大崎700/☎0297-38-2000
【開館時間】9時30分~17時(入館は~16時30分)
【休館日】月曜日(休日の場合はその翌日)
※土日祝日および特定日(GW・お盆期間など)の入館は事前予約が必要。詳細はHP参照のこと
【入館料】企画展開催期:本館・野外施設大人750円、満70歳以上370円、高校・大学生460円、小・中学生150円/通常期(企画展が開催されていない時期):大人540円、満70歳以上270円、円、高校・大学生340円、小・中学生100円
【アクセス】常磐自動車道・谷和原ICより約20分、または圏央道・坂東ICより約25分
【HPアドレス】https://www.nat.museum.ibk.ed.jp

《現在の企画展示》

いのちの色 ──世界をいろどる生きものたち──
6月11日(日)まで(土・日・祝日および5月2日の入館は事前予約が必要)

さまざまな色をした花や実、紅葉する葉、体の色を変える鳥や魚、周囲と同化するような色をした昆虫など色とりどりの自然。生きものたちはなぜそのような色をしているのか。その意味を紹介。さらには植物などの色素を利用した染色や、絶滅してしまった生きものの色の再現などについても取り上げている。

《6月までのおもなイベント》

■サンデーサイエンス
毎週日曜日に行われる体験教室。参加は事前申込・先着順

  • 6月:葉脈標本をつくろう

実施場所・定員・参加費についてはHPを参照。対象:未就学児・小学生(保護者も参加者として一緒に申込を)、申込開始:実施する月の前月1日から。

体験教室であるサンデーサイエンスで行われる星座早見盤作り。これは7月の毎週日曜日に予定

■子ども自然教室
ボランティアによる子ども向けの体験型イベント。参加は事前申込・先着順

  • 6月10日(土):新緑の森、見て触って、たくさんの自然を探そう(ネイチャーゲーム)

時間:13時30分~14時30分、対象:小・中学生、申込開始:実施する月の前月1日から

■わくわくディスカバリー
展示解説員による親子向けの参加体験型イベント。参加は事前申込・先着順

  • 6月24日(土):鳥のプラバンキーホルダーをつくろう

場所:スタディルーム(博物館1階)、時間・定員については HPを参照。対象:未就学児・小学生、申込開始:実施する月の前月1日から

■展示解説員によるガイドツアー
展示解説員による各展示室の案内。参加は当日申込・先着順

土・日・祝日および特定日を除く毎日13時~14時、15時~16時
受付場所:博物館2階改札案内
集合場所:博物館2階松花江マンモス下
定員:各回5名程度 ※都合により中止となることあり

■スポットガイド
展示解説員が館内の様々な展示にスポットをあて、詳しく解説。

毎週金曜日14時~14時15分 ※都合により中止となることあり

■ネイチャーガイド
博物館職員が野外の自然などをわかりやすく解説しながら案内。参加は当日申込・先着順

第3週以外の土曜日13時30分~(所要時間約30~60分)
受付場所:博物館本館野外出口付近
集合場所:受付場所に表示
定員10名程度 ※都合により中止となることあり

■ふれあい野外ガイド
ボランティアによる自然についてのレクチャーや観察会

毎月第3土曜日13時30分~14時30分
受付場所:博物館本館野外出口付近(天候により変更になることあり)
※都合により中止となることあり

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