【第42回JAIA試乗会試乗会レポートその5】身構えることなくBEVライフを初められる アウディ・Q4 e-tron

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1日で5モデルを試乗できるJAIA輸入車試乗会だが、今回は5モデル中3モデルがバッテリー式電気自動車(BEV)だった。これも海外ブランドが最新モデルとして、BEVを導入していることの表れといえよう。

SUVらしいスタイルだが、空力性能には優れている

 

 

BEVを積極的に導入する欧州メーカーの中で、その先頭を走るのがアウディだろう。2026年以降はBEVしか導入しないとも宣言している。

アウディではBEVをe-tron(イートロン)と呼び、現時点で試乗車を含め大型SUVや、4ドアクーペといったボディタイプの全7モデルを国内に導入。その中で今年1月に発売されたばかりの最新モデルが、Q4 e-tron(試乗車)/Q4スポーツバックe-tronだ。

アウディでは、車名の「Q」がSUVモデルを示し、それに続く数字がボディサイズの大小を表す。Q4はQ3とQ4に間に位置する、つまりコンパクトSUVのBEVということだ。

とはいえ、Q4にはBEV専用のプラットフォームが採用され、エンジン搭載を考えずに設計されていることから、室内空間をより大きく取れる等根本からクルマの作りが異なる。このため、室内長はひとクラス上のQ5より長くゆったりとしつつも、ボディサイズは全長4.59m×全幅1.87m×全高1.63mで、取り扱いやすいサイズに収まっている。

駆動方式は後輪に置かれたモーターが駆動する後輪駆動タイプで、充電後の航続距離はWLTCモード走行で594㎞をマーク。現実の走行での航続距離は約半分と見積もっても297㎞と、日帰りドライブもカバーできる距離。自宅に充電設備を持てるなら、BEVライフもかなり現実味を帯びてくる。

スタイルは、SUVらしく力強く、大径タイヤ等によりコンパクトだが大柄に見える堂々としたもの。“穴が開いていない”フロントグリルや、エキパイのないテールエンドからBEVであることがわかる。

BEVらしさといえるのは、システムの起動方法。もちろん、オン/オフのスイッチもあるが、ブレーキペダルを踏むとシステムが起動し、サイドブレーキボタンを押しブレーキから足を離すとオフになる。

本来ならエンジンが収まるスペース。コンパクトに機器類が収まる

走り出せば、モーターによる瞬発的な加速は十二分なもの。もちろん静粛性も高いが、ユニークなのは車速の上下に連動し、エンジンサウンドのような音が聞こえてくること。また、ラゲージ容量は520リッターが確保され、内燃機関モデルの同様の使い勝手のよさもある。

結論として、BEVとしての極端な近未来感の押し付けがなく、内燃機関からのコンバートでも違和感がない。身構えることなく穏やかにBEVライフを初められるモデルであること。また、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェの販売拠点で急速充電ができる充電ネットワークもBEVライフデビューを後押ししてくれそうだ。

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