【業界ココに注目】2023年は新車販売の本格回復に期待

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新年の2023年は、新車販売の本格回復に期待がかかる1年になりそうだ。コロナ禍は第8波の到来で依然厳しい状況にあるが、弱毒化、治療薬の開発促進で死者が減少、ウイズコロナシフトで、自動車メーカーの生産ラインが徐々に正常化に向かうことが見込まれる。需要そのものは底堅いのが実情であるから、増産によって多数のバックオーダーは早急に回復することが予想される。

半導体を中心としたサプライヤーからの部品の供給はすぐには回復しないが、着実に改善される方向にある。実際、この12月に入って主要量販モデルの納期は大幅に短縮され、これまで半年以上かかったのが3カ月以内と、大幅に納車が可能なモデルも出現している。

半導体部品の使用頻度の高いハイブリッドモデルや、上級車用の安全デバイスはまだ先送り状態のケースが多いが、ガソリンNAモデルを中心に改善が見られる。登録車は特にコンパクトクラスが早まり、軽自動車は2カ月以内で納まる車種も目立つ。

これまで多数設定されていたグレードやボディカラーを絞ることで、生産効率をスムーズにさせる他、流通ネットの効率化などでも、納期の見通しを明確にするような改善策の採用も行われている。コロナ禍が収束し、完全に正常化するにはあと5年はかかるとの見方も業界内にあるが、こうした将来予測は2023年中盤以降になれば、2~3年以内に改善されるに違いない。

バックオーダーが多数に上り、トヨタや日産の一部人気モデルはオーダーストップになっている車種も見受けられるが、これらは2023年の中盤以降は受注が再開される見通しとなっている。

(遠藤 徹)

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