日産は12月15日、「第38回 日産 童話と絵本のグランプリ」大賞作品を出版したと発表した。今回大賞を受賞したのは、藪口 莉那さんの童話「木箱の蝶」と、ホソカワ レイコさんの絵本「みかんきょうだいのたんけん」の2作品で、書店やインターネットを通じて販売を実施する。
「日産 童話と絵本のグランプリ」は、一般財団法人である大阪国際児童文学振興財団が主催するアマチュア作家を対象とした創作童話と絵本のコンテスト。同社は第1回(1984年)から協賛しており、才能ある新進作家の育成をサポートするとともに、子どもたちに良書を届けることを目的に、38年間で71作品を出版した。
また同社は、第1回のグランプリから累計で28万冊以上の出版作品を国内外の図書館や学校等に寄贈しており、今回も国内では約3,600の図書館と、同社の事業所近隣の約900の保育園や幼稚園などに寄贈し、海外においても、同社の事業所周辺の日本人学校や日本語補習校への寄贈を予定している。
【童話「木箱の蝶」概要】
- タイトル:「木箱の蝶」
- ストーリー:お父さんの部屋で見つけた一枚の蝶の羽が、「ぼく」の作った画用紙の何十匹もの蝶とともに、夕暮れの空に飛び立つ幻想的な話。描かれた場面の一つひとつが映像を見るように鮮やかで、ハタリ、ポクリ、などの擬声語が物語の静けさを一層深くしている。
- 作者:藪口 莉那。兵庫県出身。大阪大学大学院修了。「第36回 日産 童話と絵本のグランプリ」で優秀賞、第37回の同グランプリで佳作を受賞。第15回「文芸思潮」エッセイ賞受賞、2008年「もちろん奇妙にこわい話」の優秀作に選ばれる。静岡県在住。
- 絵の作者:横須賀 香。東京都出身。東京藝術大学日本画科卒業、同大学院絵画科修了。「ちかしつのなかで」で、「第32回 日産 童話と絵本のグランプリ」の大賞を受賞。絵本に「ぼく、こわかったんだ」(BL出版)などがある。埼玉県在住。
- 価格:1,400円(税別)
【絵本「みかんきょうだいのたんけん」概要】
- タイトル:「みかんきょうだいのたんけん」
- ストーリー:スーパーマーケットでビニール袋に詰められていた「おにいちゃんみかん」と「おとうとみかん」が、袋をとびだして探検に出かける物語。棚の商品からポップ、商品のラベルに至るまで丁寧に描かれた店内など、作画が魅力的な作品。
- 作者:ホソカワ レイコ。兵庫県生まれ。京都精華大学芸術学部デザイン学科卒業後、パッケージデザイナーなどを経てフリーランスに。学生の頃より絵本の世界に興味を持つ。絵本を読む息子たちの姿に後押しされて、中断していた絵本制作を始める。
- 価格:1,400円(税別)