【ナッツRV】キャブコンのスタンダード「クレソンジャーニー」 -

ブラッシュアップを続けるロングセラー

キャブコン（キャブ・コンバージョン）のシェアで圧倒的な販売台数を誇る「クレソンジャーニー」と「クレア／スティング」をラインアップに持つ「ナッツRV」（本社：福岡県遠賀郡）。今年はベース車両の一部改良を機に、さらに進化した新車両を「東京キャンピングカーショー2022」では大きく展開した。

中でも今回は、国産キャブコンの“定番モデル”として多くのユーザーから支持されているクレソンジャーニーに注目した。

クレソンジャーニーは、毎年のようにブラッシュアップを重ねてきたことで非常に完成度が高く、高い断熱性や優れた充電機能を備えつつも、競争力ある価格帯を実現したモデルだ。総合的な評価や商品力が高いことから「初めてのキャンピングカーとしても非常に選びやすいモデル」でもある。

3タイプの異なる室内レイアウトを全て揃えたクレソンジャーニーの展示風景

日本RV協会ブースに展示されていたオプションのフェイスパネル装着車。端正な顔つきとなり印象も大きく変わる

圧倒的な超断熱性パネル構造を採用

クレソンジャーニーが選ばれる理由は、室内の施工や家具のクオリティ、装備類といった目に見える要素以外にも、実際に使用しないと分からない機能面にも優れているからだ。特に、現代のキャンピングカーに求められる断熱性や空調、充電機能は、1000万円を超えるハイクラスのキャブコンと同等レベルを有している。

まず、車中泊をする上で一番重要とも言える「断熱性」。

同モデルは今年、一体形成ボディから断熱性がより高いパネル工法へとシェル構造を刷新している。このシェルは、ナッツRVのフラッグシップモデル「ボーダー」やクレアで使用しているのと同じ厚さ35㎜の断熱材を、高強度かつ軽量なFRPパネルでサンド。この新構造の高断熱コンポジットパネルを両サイドやリアのみならず、天井、フロアにも採用。室内を断熱材で包みこむことで圧倒的な断熱効果を実現した。

高断熱コンポジットパネルに包まれた新構造のシェル

エボライト、エボライトLi仕様は家庭用エアコンを標準装備

家庭用エアコンで夏季も快適車中泊

夏場の車中泊を快適に過ごす装備として、クレソンジャーニーは「エボライト」「エボライトLi」仕様ともにインバーター付き家庭用エアコンを標準装備している。家庭用エアコンの搭載は、安定した電力供給能力と室外機の設置というスペース確保の点から、設置が難しいバンコン（バン・コンバージョン）との差別化にもなっており、キャブコンを選択する要因のひとつでもある。

同モデルは、家庭用エアコンがただ使用できるだけではなく、電子レンジも含めた消費電力の多い電化製品を“ストレスなく利用できる”高性能な充電システムの搭載が強みとなっている。業界ではすでに知られている急速充電システム「エボリューション」シリーズのエボライト、そしてエボライトLiだ。

このシステムの優れている点は、一晩使い続けて消費した3つのバッテリーの電力を翌日の「走行充電」だけで、ほぼ満充電までリカバリー。その晩の就寝時も問題なく家庭用エアコンの使用を可能にしたことだ。エボライトは、ユニット部分に定評のあるシーテック社製走行充電器を組み合わせたシステムで、エボライトLiは同システムに100Ahのリチウムイオンバッテリー4個を組み合わせた大容量・高機能モデルとなっている。

スタンダードタイプの「タイプW」

「タイプW」のエボライト仕様はエントランス上部に家庭用エアコンが備わっている

現代の使い方にあわせた特別仕様車

クレソンジャーニーは現在、常設2段ベッド仕様の「タイプＷ」、リアに常設ダブルベッドを備えた「タイプＸ」、サイドソファーが特徴の「タイプＲ」の全3タイプを設定。家具色も明るいオーク調とダーク系のシックな2タイプから選べるようになっている他、エントランスドアやアクリル2重窓など、各パーツにはこだわりのヨーロッパ製を採用。電子レンジや冷蔵庫といった装備類も搭載し、エボライトは908万円〜（税込）となっている。

また、東京キャンピングカーショー2022では特別限定車「Pエディション」が新発表された。

この限定車は、新規オープンが続くRVパークやオートキャンプ施設での使用を想定したモデル。充電機能を宿泊設備の外部充電コネクターで賄うことを前提に、充電システムをあえて未搭載にし、価格を抑えているのが特徴だ。

家庭用エアコンの標準装備に加え、高断熱、ダブルタイヤのディーゼル車であるキャブコンでありながらも、価格はバンコンとも競合できる700万円代後半に設定。販売は、正規販売店8店舗各5台のみ限定となっている。