ホンダは5月26日、ミドルサイズミニバン「ステップワゴン」のフルモデルチェンジを発表(発売は27日から)。新型車は“素敵な暮らし”をグランドコンセプトに、さまざまな生活スタイルに合わせ、暮らしを豊かにできるクルマを目指して開発された。パワーユニットは、ハイブリッド(e:HEV)とガソリンの2タイプ。テイストが異なる“エアー”と“スパーダ”の2タイプのデザインを持つ。
■自宅にいる心地よさと自由な空間
新型ステップワゴンは、AIR(エアー)とSPADA(スパーダ)という二つのデザインを持つ。エアーはクリーンでシンプルなデザインに、細いメッキモールをさりげなく配置し、上質感も醸し出した。スパーダはワイドかつ重厚なフロントグリルと、ボディ下端を全周に配置したメッキモールによって、力強く品格のあるたたずまいを表現した。
内装は、歴代モデルが継承してきた“家族のための大空間”を進化させ、自宅にいるような心地よさと、新たな使い方が見つかる自由な空間を目指した。エアーは温かみのある色合いで、リビングのような安心感のある空間とした。スパーダは、スタイリッシュなダークトーンの色合いで、上質な空間に仕立てた。また、スパーダをベースに、専用の内外装デザインを採用することでさらに質感を向上させた、スパーダプレミアムラインも設定されている。
パッケージングでは、成長していく家族にあわせ多彩な使い方ができるよう、乗る人が自由に居場所を選べるシートアレンジを採用した。それを可能にしたのが7人乗りの2列目シートのロングスライド機構(最大780㎜)。しかも、一つのレバーで前後だけでなく、左右にもシートをスライドできる。
3列目シートは、従来型から継承される床下収納タイプ(マジックシート)だが、着座位置を高くするとともに、前方シートのヘッドレストの形状を工夫することで、開放的な視界を実現。また、シート自体のクッションの厚みを増やし、周囲の加飾やドリンクホルダー等の設置により、従来のような補助席感を払拭し“特等席”とした。
■運転しても、車内にいても快適に
快適性をアップさせる新機能が数多く採用されている。まず運転席では、情報が読み取りやすく、直感的な操作を追求した10.2インチデジタルクラフィックメーターを採用。オーディオ系の情報やナビ、運転支援情報系を左右のメーター内に表示し、直感的な操作をサポートしてくれる。
テールゲートは、パワーテールゲートを新採用。開く角度を任意に設定できるメモリー機能も備わり、車両後方の空間が限られる場所でもゲート開閉を容易にしてくれる。
また、パワースライドドアの車外スイッチはボタン式でなく、軽く指先で触れるだけで作動する静電タッチセンサー式を世界初採用した(同社調べ)。
さらに、エアコンには大気中のPM2.5等の微小粒子を検知し、空調制御とフィルターで空気を浄化する“クリーンエアー”が全車に標準装備され、すべての乗員にクリーンな空調が提供される。
■パワートレーンは2タイプ
モーター走行を中心とする、同社独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」と、直列4気筒1.5ℓ直噴VTECターボエンジンの2タイプのパワートレーンが設定されている。
e:HEVは、2.0ℓエンジンの徹底したフリクション低減で熱効率を向上させた。急な下り坂では、シフトポジションを「B」に切り替えるとアクセルオフ時の減速度がより強くなり、フットブレーキの操作が軽減され、安心して運転に集中できるようになった。
ガソリンエンジンは、従来型に対し排気ポートやタービン等の改良により、ターボの過給応答性が向上。爽快な加速が楽しめる。4WD車はガソリン車のみの設定だ。
■最新のホンダセンシングを全車標準装備
最新の安全運転支援システム「ホンダセンシング」を全車に標準装備した。アダプティブクルーズコントロールが渋滞追従機能付へと進化した他、後方誤発進抑制機能、近距離衝突被害軽減ブレーキ、オートハイビーム、トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)、アダプティブドライビングビーム(一部タイプのみ)等が追加された。その他の安全運転支援装備として、マルチビューカメラシステムやブラインドスポットインフォメーションが採用された。
【主要諸元】全長4830㎜(エアーは4800㎜)/全幅1750㎜/全高1840㎜(除くプレミアムライン、4WD)/ホイールベース2890㎜/最低地上高145㎜(除くプレミアムライン、4WD)/最小回転半径5.4m(除くプレミアムラインのFF)
【希望小売価格帯】[e:HEV]338万2500円~384万6700円[ガソリン]299万8600円~365万3100円
[新型ステップワゴンの詳細をYouTubeで見る]