VWグループとセアトがスペインを電動化の拠点に、9300億円を投資

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フォルクスワーゲン グループとセアトは3月23日(独現地時間)、スペインをヨーロッパにおける電動化の戦略的拠点とするため、 バッテリー セル工場を建設し、完全かつ持続可能なe-エコシステムを構築すると発表した。

同グループは、スペイン政府による「Electric Vehicle PERTE」(電気自動車のための戦略的復興・変革プロジェクト)の申し込み受付が2022年4月1日に開始されることを受けて、同日、このプログラムに申し込む計画を発表。「Future Fast Forward」と呼ばれる今回のプログラムには、e-モビリティのバリューチェーン全体に関わる外部サプライヤーと共に、合計70億ユーロ以上の投資を予定しているという。

さらに、フォルクスワーゲン グループは、スペインのバレンシアに新しいバッテリー セル工場を建設する意向を発表。すべての計画は、PERTEプログラムを筆頭に、最終的な承認を待っている段階だとしている。

バレンシアに建設するバッテリー セル工場は、ザルツギッター(ドイツ)に次ぐ2番目のギガファクトリーで、ドイツ以外では最初の工場となり、次世代のセルを生産。年間40GWhの生産能力を備えた工場を建設することを目指しており、バレンシアで3,000人以上を雇用する計画で、2026年に生産を開始するため、工場の建設は年末までに着手するとしている。

今回の発表に際し、フォルクスワーゲンAGテクノロジー担当取締役兼セアトS.A.監査役会会長のトーマス シュマル氏は、「このプロジェクトは、フォルクスワーゲン、スペイン、そしてヨーロッパ全体にとって非常に重要です。私たちはスペインを電動化の拠点にすることを目標としており、マルトレルとパンプローナ工場の電動化、そしてバレンシアでバッテリー バリューチェーンを構築する ために、外部サプライヤーと合わせて合計70億ユーロ以上を投資する用意があります」と語った。

フォルクスワーゲンは、パートナーと協力して、年間240GWhの生産能力を実現する6か所のギガファクトリーをヨーロッパに建設することを計画。グループ内で必要としているプレミアム セルは、スウェーデンのノースボルト社のシェルレフテオー工場で生産される。

フォルクスワーゲンは、ヨーロッパで予定されているすべてのセル工場の建設および稼働を加速させるため、セルの開発と生産を担当する欧州会社(SE)を設立し、今後外部のパートナーや投資家の参加も検討している。2025年に生産を開始するドイツのザルツギッター工場が、計画全体の中心となり、今後建設される工場の青写真となるとしている。

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