三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は3月16日、電気小型トラック「eCanter」次世代モデルの試作車両を同社喜連川研究所(栃木県さくら市)で初公開した。
国内初の量産型電気小型トラック「eCanter」は2017年に発売され、2020年に先進安全装備を拡充した改良モデルを発売し、さらに進化した次世代モデルの開発を進めている。次世代モデルの「eCanter」は車両ラインアップを拡充してより細かな車両用途に対応し、航続距離や安全装備等の性能をさらに改良した大規模量産モデルとして発売を計画。その開発プロセスでは、寒冷地や温暖地といった多様な厳しい環境下での走行試験を国内及び海外で行い、発売までに合計で100万km以上の走行テストを実施するとしている。
「eCanter」は、これまで日本をはじめ欧州や米国、オーストラリア及びニュージーランドで合計350台以上が導入され、グローバルでの累計走行距離は450万km以上に到達。MFTBCは商用車における電動化促進とCO2ニュートラル化を今後加速し、2039年までに日本国内へ導入する全ての新型車両を電動化するビジョンを掲げている。
また、商用車の電動化加速に向けた取り組みに伴い、開発設備投資も拡大しており、同社喜連川研究所内に高出力急速充電器、リチウムイオンバッテリーを分解して解析を行うバッテリー分解室、そして災害時にEVトラックから給電する外部給電機能の試験設備を併設したEV試験棟を2021年から2022年にかけて新たに設置した。これらの新たな設備に加えて、高電圧コンポーネントの評価を行うテストベンチや、EVトラックの機能を検証するEVシステムベンチ等で、「eCanter」次世代モデルの試験を推進する。