日本ミシュランタイヤは2月25日、プレミアムコンフォートタイヤ「PRIMACY SUV+(プライマシー エスユーブイ プラス)」を5月19日より順次発売すると発表した。サイズは15インチから20インチまでの全28サイズで、価格はオープン。
近年、SUVの普及率は、新車販売数と登録車数の両面で増加傾向にあるほか、SUVの普及とともに、使用される環境や目的に応じた消費者ニーズも多様化していることから、これまでのSUVに求められていたタイヤ性能だけにとどまらない、新たな価値を持つタイヤが求められている。
今回発売する新製品は、ミシュラン基準の「プレミアムコンフォート」のコンセプトをSUV向けに投入することで、現代のSUVユーザーにより安全で快適な、そして、より豊かなドライビング体験を提供することを目的に開発。ドライ路面での安定したグリップ性能はもちろん、優れたウェットブレーキング性能は、日常使いからレジャーまでさまざまなドライビングシーンで高い安全性を発揮し、優れた静粛性、高速安定性、ハンドリング性能を実現している。
■新製品の特徴とそれを実現するための数々の技術
ミシュランタイヤでは、使用目的に合わせたタイヤをラインアップしており、新製品「PRIMACY SUV+」は、快適性と高速安定性を両立させたプレミアムコンフォートSUVタイヤであり、コンフォート性能を重視したPREMIRE LTX(プレミア エルティーエックス)の後継商品にあたる。
M+S性能を持っていたPREMIRE LTXに対し、PRIMACY SUV+はオンロード専用としサマー性能に磨きをかけ、以下の三つの大きな特徴を持つ。
①安心感をもたらすドライ/ウェットグリップ性能
②快適なドライブを演出する優れた静粛性
③高重心・高過重のSUVを支える高速安定性とハンドリング性能
このうち、ドライ/ウェット性能とハンドリング性能向上のため、U字グルーブ、スタビリ・グリップ・サイプ、フルデプスサイプ、シリカ配合増加、常温でのグリップを重視したコンパウンドの採用等を行った。
U字グルーブは、摩耗時の接地面積減少がないため溝が減ってもドライブリップをキープできる。また、トレッド面の溝比率を削減したことで接地面積を増やし、新品時のドライ/ウェット性能が向上している。
ショルダーブロックに使用しているスタビリ・グリップ・サイプは、ブロック剛性を確保しハンドリング性能に貢献している。
これらのチューニングでは担保できない摩耗時の排水性やウェット性能確保について、溝の深さを14%増やしフルデプスサイプを使用することで排水性を確保。溝の深さは耐摩耗性を確保することにも寄与している。
コンパウンドはシリカ配合を増やしつつ、従来品よりグリップ性能を発揮する温度が高く、常温でのグリップを重視した設計となっている。これにより、サマータイヤに求められるドライ/ウェット性能を確保している。
静粛性に関しては、従来品よりショルダーのブロック数を増やしたバリアブルピッチを適用することで、ノイズのピークを分散しタイヤ騒音を減らした。
また、トレッドブロックが地面と接地する時、タイヤベルトに断続的に力の変動を与えることで生じる「パターン加振」については、ベルトにかかる力の変動を小さくすることが、タイヤ騒音の低減につながる。
そのため、ブロックの配置をずらしたり、大きさを変えたりすることで各ブロックによる加振のタイミングをずらし力の変動を小さくしつつ、横溝に角度をつけることで同様の効果が得られる。
同日行われた新製品発表会で、日本ミシュランタイヤ・須藤元社長は「近年のSUV人気の背景には、ユーザーの多様かつ新たなニーズが存在しており、タイヤはそれらの異なるニーズに的確にとらえ、移動の喜びを実現する責任がある。おかげさまで当社は“技術のミシュラン”と評価をいただいており、真のユーザーニーズを技術で叶える会社であり続けたい。これからもユーザーが求める快適性や高速安定性を両立させていきたい」と語った。