【河村康彦 試乗チェック】ルノー・ルーテシア 日仏アライアンスの賜物

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取っつきやすい輸入車ベーシックモデル

日本以外の市場では『クリオ』、商標の関係でそれを名乗れない日本市場では『ルーテシア』として展開されている、ルノー発のハッチバック・モデルをテストドライブした。

現在販売されているのは、2019年に発表され日本には翌年から導入をされている5代目モデル。全長×全幅×全高サイズは4075×1725×1470㎜で、VW・ポロやプジョー・208が直接のライバルという関係になる。

リヤドアのアウターハンドルの位置により、3ドアのようにも見える

そんなこのモデルでの注目ポイントのひとつは、その骨格にルノーと日産、そして三菱自動車という3者のアライアンスによるアイテムが用いられていること。すなわち、好調な販売が伝えられている現行の日産ノート/ノート・オーラとは、遠い”親戚関係”に当たる内容の持ち主と言っても良いことになる。

大きなひし形のルノー・マークがグリル中心に据えられた顔つきを筆頭に、そのルックスはシンプルでクリーンな仕上がり。5ドア・ハッチバックの形態ではあるものの、ブラックアウト化されたリヤドアのアウターハンドルがリヤのサイドウインドウ後端部分にビルトイン化され、一見ではサイドビューが3ドア・ボディのように見えるのが特徴のひとつだ。

一方インテリアは、こちらもシンプルな仕上がり。ダッシュボードは中央部に小さなタプレットが張り付けられたようなデザインだ。

3グレード構成の日本導入モデルが7速DCTとの組み合わせで搭載するのは、最高131PSを発する1.3リッターのターボ付き4気筒直噴エンジン。今回は中間グレードである『インテンス』をテストドライブした。

直列4気筒1.3リッター直噴ターボエンジン

全幅が3ナンバー枠に踏み込んでいるとはいえ、コンパクトなサイズは日本の道路環境にもピッタリ。ただし、その分後席スペースにさほどの余裕はなく、レッグスペースもニースペースもややタイトな印象。一方で、ラゲッジスペースはかなりの深さがあり、このあたりに積載性を重視する欧州モデルらしい特徴が感じられる。4WD仕様を設定しないこともそこには有利に働いていそうだ。

深みのあるラゲッジスペース

DCT採用車ながら、微低速時の動きの滑らかさは文句ナシ。同時に、アクセルペダルを深く踏み込むと、なかなかの速さの持ち主であることも確認できた。

スイッチ類に“ボタン”や“ノブ”が残り、初対面でも戸惑わない

昨今、行き過ぎたスイッチ数削減の影響で、返って使い勝手が悪くなっている例も見受けられる中で、このモデルの場合は空調など主要なスイッチ類が独立したボタンとして残され、ホッとできたというのも正直なところ。輸入車らしい個性という点にはやや欠けるきらいもあるものの、それゆえに間口の広そうな1台だ。

(河村 康彦)

(車両本体価格:256万9000円〈インテンス。2022年4月1日以降は266万9000円〉)

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