アウディ ジャパンは1月28日、東京(1月17日)、名古屋(1月20日)、大阪(1月21日)の3拠点で、年頭記者会見「Audi New Year Press Conference 2022」を開催したと発表した。
同会見では2021年度の業績を振り返るとともに、AUDI AGドイツ本社の電動化戦略 Vorsprung 2030に基づく、日本におけるe-tron戦略(電動化戦略)を発表し、脱炭素に対して、生産の過程から廃棄に至るまでのAUDI AGの包括的な取り組みを紹介。この中で、アウディは2030年までに持続可能性、社会的責任、技術革新におけるリーダーとなるという決意を示し、今後内燃エンジンを搭載したモデルの販売を、2033年にかけて段階的に終了すると発表した。
特に日本におけるe-tron戦略として、アウディジャパン社内に部署や役職にとらわれないクロスファンクションチームを立ち上げたことも紹介。電動化戦略に対して一貫性のあるストーリーラインを策定し、アウディ正規ディーラーとの連携を強化、全国のe-tron取扱店舗に対して高機能な150kWの急速充電器の設置を、今年の第3四半期より順次進めていくことを明らかにした。また、遠方目的地での滞在中に、次の目的地に向かうための充電をおこなう普通充電器を全国に設置する、デスティネーションチャージャー(目的地充電器)ネットワークの計画についても公表した。
さらに今後のe-tron戦略において非常に重要なモデル、アウディの電気自動車第3弾となる「Q4 e-tron/Q4 Sportback e-tron」の発表を実施。同戦略的モデルを軸に、No.1プレミアムBEVブランドを確立するほか、今後ユーザーの使用用途や志向に合わせた電気自動車のラインアップを展開することで、e-tronシリーズの販売を加速すると述べた。
また、同日発表のオンライン限定先着販売モデル「Q4 Sportback e-tron 1st edition」について、販売開始後12時間以内に予定販売台数50台が完売したことも発表され、カスタマーのアウディの電気自動車e-tron に対する関心の高さを示していると述べた。
東京会場の年頭記者会見後には、フリーアナウンサーの森本 智子氏をファシリテーターに、伊藤忠 総研 上席主任研究員・Mobility Open Blockchain Initiative MOBI理事 深尾 三四郎 氏とマティアス シェーパース氏のトークセッションが行われた。深尾氏は海外と日本の電気自動車の普及について「脱炭素の流れは変わらない。日本のみならず世界が抱えている課題を、イノベーションにより克服していくことが期待されている中で、EVを取り巻く環境は少しずつ整い、消費者の新しいモビリティに対する受容性も徐々に高まり、EV化の流れは加速していくだろう。各社のEV宣言により選択肢も増え、まさに今年は日本にとってもEV元年になると思っている」とコメントした。
年頭記者会見は、東京に続いて、自動車関連産業が多く立地する東海エリア(名古屋)、バッテリー、半導体産業が集積する関西エリア(大阪)でも行われ、各エリアにおける充電器の設置計画について発表した。