日産、凸版印刷、NoMAラボ、福島県で新たな買い物・宅配モデル「なみえバーチャル商店街サービス」の実証実験を開始

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日産、凸版印刷株式会社、一般社団法人NoMAラボの3者は1月24日、福島県双葉郡浪江町の協力のもと、浪江町在住の住民を対象に「なみえバーチャル商店街サービス」の実証実験を1月24日(月)から2月4日(金)に実施すると発表した。

「なみえバーチャル商店街サービス」は、凸版印刷が提供する「VR買い物支援サービス」と日産が提供する「なみえスマートモビリティ」を組み合わせた買い物支援サービス。

自宅にいながらタブレット端末にて、浪江町に拠点を置く3社[有限会社柴栄水産、道の駅なみえ、イオン浪江店(イオン東北株式会社)]の売り場をリアルタイムで見ながら、商品を確認・注文することが可能で、注文した商品は「なみえスマートモビリティ」車両にて貨客混載で自宅まで配送される。

同実証では、購入から手元に届くまで一連の遠隔購買・宅配サービスの有用性を検証すると同時に新たに効率的な買い物手段を提供することで、地域での暮らしやすさの向上や、地域商業の活性化を図るとしている。

3者は今回の実証実験を通して、複数店舗での商品購入および配送サービスにおける課題を抽出、さらに利用者ニーズとの乖離や地域商業への影響などを検証し、今後、サービス実現に向けてシステムの改善やさらなる共同研究・実験を推進。そして、小売り事業者や飲食店の新たな販売チャネルを創出し、地域の生産品を商品として出展することで、地域の魅力発信や地域経済の活性化に貢献することを目指すと述べている。

【実証実験の概要】

<①家にいながら店舗の商品をリアルタイムで見て買い物が可能>

利用者は、凸版印刷が提供する「VR買い物支援サービス」を使って、各店舗の商品棚に設置されたカメラの映像を、タブレット端末を介してリアルタイムに確認。実際に商品を手に取るような直感的な操作で選択することが可能となっている。複数店舗で実際の商品を見ながら直感的に買い物ができる同サービスの有用性および利用者の方々の利便性向上の検証を行う。

<②買い物から宅配までをワンストップで実現>

商品の宅配は、同地域にて実証実験中の「なみえスマートモビリティ」を活用。「VR買い物支援サービス」を使って買い物した商品を、店員がピックアップする。旅客だけでなく荷物配送も同時に行う貨客混載サービスの対象店舗を拡大し、人口密度の低い地域でのモビリティサービスの事業性検証を行う。

 

 

 

【実証実験の詳細】

◆期間:2022年1月24日(月)から2月4日(金)

◆対象者:「なみえスマートモビリティ」の利用者の中から、20名前後

◆対象エリア:福島県双葉郡浪江町

◆目的:購入から手元に届くまで一連の「遠隔購買・宅配サービス」の有用性を検証

◆各社の役割:

  • 日産:「なみえスマートモビリティ」を利用した宅配サービスの運営、モビリティサービスによる宅配の事業性検証
  • 凸版印刷:「VR買い物支援サービス」の開発/運用管理、VR技術を活用し複数店舗のリアルタイム映像を見ながら商品選択できるシステムの利用者利便性検証
  • NoMAラボ:実証実験のモニター募集、地域関係者との調整
  • 浪江町:サービス導入や広報活動の支援

【日産「なみえスマートモビリティ」の特長】

スマートフォンのアプリケーションで乗り合いタクシーを呼び出し、浪江町中心部に約120ヶ所、周辺部は登録ユーザーに応じて設けられた乗降ポイント間を行き来できる、デマンド型モビリティサービス。持続可能なモビリティサービスを目指し、車両の稼働率や輸送効率を改善し、事業性を構築する方策として、貨客混載による旅客と荷物の輸送を行う。

 

 

【凸版印刷「VR買い物支援サービス」の特長】

ネットショッピングや一般的なバーチャルショッピングとは異なり、実際の店舗の映像をリアルタイムでタブレット端末に配信しているため、鮮魚、精肉、野菜、その日の商品ラインナップやタイムセール商品など、実際に店舗にいるかのような感覚で買い物をすることができるほか、同じ商品が複数個陳列されている場合、実店舗で商品を選択する感覚で、任意の商品を選んで購入することが可能となっている。

「VR買い物支援サービス」を導入する店舗側は、商品登録やシステム構築の必要無く、カメラを棚の前に取り付けるだけで導入が可能で、生鮮品を扱う中小規模の小売店では、日々の仕入状況によって商品が異なるため、eコマース導入のハードルが高いことが課題となっていたが、「VR買い物支援サービス」によって手軽に商圏を広げることが可能となる。

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