メセナアワード大賞記念撮影

トヨタ自動車がメセナアワードで大賞、コロナ禍でも芸術文化・社会に貢献

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企業による芸術文化を通じた社会貢献活動を表彰

優れたメセナ活動を行なった企業や団体に贈られる「メセナアワード2021」が発表され、2021年度はトヨタ自動車が大賞を受賞し、11月25日に贈呈式および受賞活動「パンデミックの中でのプチ幸せの量産」の発表が行われた。

企業メセナ協議会が主催するメセナアワードは、企業による芸術文化を通じた社会創造の観点で特に優れた活動を顕彰する賞で、メセナ認定制度「This is MECENAT」活動164件(96社・団体)の中から、2021年度は特にコロナ禍への対応や社会包摂への活動が評価された7社・団体に贈られた。

メセナアワード2021を受賞した7企業・団体

2021年度の受賞企業・団体

髙嶋達佳会長開会挨拶

企業メセナ協議会・髙嶋達佳会長開会挨拶

大賞のトヨタ自動車は、これまで培ってきたメセナ活動のリソースを最大限に活かし、コロナ禍による社会の変化にも迅速かつ柔軟に対応しながら活動の維持・継続に努めた点が評価された。

 

コロナ禍でもオンラインを利用して活動を継続

同社の受賞活動紹介では、「パンデミックの中で次々とアーティストの発表の場が失われて、当社の活動も休止せざるをえない状況の中で『なにかやらねば!』の積み重ねであった」と語った社会貢献推進部・布垣直昭部長。普段の活動を超えて貢献できることを考え、まずは「現場の困りごとを時系列で分類し、何ができるか」を模索したと話す。

トヨタ自動車の活動紹介

布垣社会貢献推進部長による受賞活動紹介

その中で最初に取り組んだのがオンラインの活用だ。ステイホームの子供たちに向けた、プロ講師によるオンラインレッスンやウィーン・プレミアム・コンサートのアーカイブ無料配信、障がい者アーティストたちの収入源になればとの想いで、エイブルアートとLINEスタンプを共同制作する取り組みをスタートさせた。

同時に、既設の情報サイト「ネットTAM」も活用。ウイルスに立ち向かうための役立ち情報の場、加えて、アーティストや専門家とともにポストコロナを考える発信の場として転換活用もしていった。

トヨタ自動車の活動紹介媒体

トヨタコミュニティコンサート やネットTAMのPR資料

同社のメセナ活動の中でも毎年のハイライトであったウィーンのプレミアム・コンサートが公演中止になった際にも、キャンセル会場を無償の発表の場にできないかと発想を転換。「夢をかなえるコンサート」として、コロナ禍のアーティストに無償の発表の場を提供した。

また、リモートを活用することで、アマチュアオーケストラとトークを融合して「音楽とSDGs」について考える場を設けるなど、活動の幅を広げてった。

トヨタコミュニティコンサートの模様

音楽を通じた地域貢献を目的に長年続けている「トヨタコミュニティコンサート」

「Youの視点」を持って元気や勇気を届けるために

贈呈式で登壇したトヨタ自動車の早川茂副会長は、「今までと同じような活動ができない中で、工夫をして、やり方を変えて続けていったが、容易なことではなかったと思っている。長い間一緒に支えてくださったパートナーの方々の熱意や信頼関係があって初めて継続できたこと」と感謝の言葉を述べた。

今後についても「Youの視点を持って、できるだけ多くの方に元気や勇気を届けられるよう活動していきたい」と抱負を述べた。

同社は経営理念の中で“幸せの量産”というミッション掲げている。積極的なSDGs達成に向けた活動とともに、引き続き文化芸術を通じた「感動を届ける幸せの量産に繋げた活動」の継続を改めて宣言した。

大賞のトロフィー授与

大賞のトロフィーを授与されるトヨタ自動車・早川副会長

受賞スピーチをする早川副会長

早川副会長の受賞スピーチ


関連リンク

公益社団法人 企業メセナ協議会

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