日産は12月2日、日産グローバル本社ギャラリーで開催中の「NISSAN FUTURES」において、電気自動車(EV)「アリア」の高性能なパワートレインを訴求する「アリア・シングルシーター・コンセプト」を発表した。
同コンセプトは、「アリア」の高性能パワートレインをシングルシーター(1人乗り)レーシングカーのシャシーに搭載。未来の電動車両が、パフォーマンスをより追求した場合、どのようなスタイリングになるかを考察したもの。
「アリア・シングルシーター・コンセプト」は、「アリア」のデザインを踏襲。フロントには象徴的な「V」のデザインがライトで表現され、側面はカーボンファイバーを使用し、アリアの流動的で無駄のない表面を大胆に表現。アリアと同じく空気の力によって形づくられたかのような形を表現している。
また、「アリア・シングルシーター・コンセプト」の開発では、日産のABB FIAフォーミュラE世界選手権への参戦が重要な役割を果たした。日産のグローバルモータースポーツダイレクターのトマソ ヴォルペ氏は、「日産がフォーミュラEに参戦しているのは、レースをするためだけではありません。より魅力的なEVの開発をサポートするためでもあります。日産では、EVとフォーミュラEの活動が、相互に影響を与えています。『アリア・シングルシーター・コンセプト』は、『アリア』のパワートレインや革新的な四輪駆動システムをレーシングカーのシャシーに組み合わせることで、EVのさらなる可能性とワクワクする魅力を追求しています」とコメントした。
また、日産 グローバルマーケティングブランドエンゲージメント担当副本部長のフアン オヨス氏は、「日産では、他がやらぬことをやるという精神があります。このコンセプトでは、高性能な『アリア』のパワートレインの可能性を、モータースポーツのパッケージで追求しました。ロードカーのデザインやスタイリングの提案だけでなく、効率的なEVへの新しいアプローチを考察しています。本プロジェクトは、市販車からレースカーまでワクワクを提供し、レースカーで培ったノウハウや技術によって市販車をさらに進化させていく日産ならではの取り組みです」と述べた。
さらに、日産のグローバルデザインを担当する専務執行役員アルフォンソ アルバイサ氏は、「私たちは、長期ビジョン『Nissan Ambition 2030』においても『タイムレス ジャパニーズ フューチャリズム』というデザイン言語を継続して採用していきます。そして、『アリア・シングルシーター・コンセプト』は、日本語の『駿』と『翔』という言葉を体現し、素早く軽やかに走る、力強く、優雅に羽ばたく姿を表現しています。アリアのEVパワートレインを、モータースポーツから着想を得たパッケージに活用することで、私たちのチームは、スピードや技術、芸術性などを表現する新たな感覚を得ることができました」と語った。