ヤリスとアクアが1万台超え
半導体不足に加えて、新型コロナの影響で主に東南アジアからの部品供給が遅れており、各社各モデルとも多くの受注残を抱えている状況が続いている。このため販売台数のランキングも、売れた台数というより、部品を確保し生産できた台数順に近い状況だ。
何しろ今年9月単月の登録車全体の販売台数は、生産が滞ったことにより、昭和43年の統計開始以来、過去最低だった昭和43年に続く下から2番目という異常事態である。もちろんランキング上位は人気モデルが並んではいるものの、順位そのものにはあまり意味がないことに留意したい。
そのような中で、登録車第1位はヤリス。20年7月からこれで15ヵ月連続の1位となった。シリーズの内訳はハッチバックの「ヤリス」が5797台、SUVの「ヤリスクロス」が6372台、スポーツ車の「GRヤリス」が527台で、ヤリスクロスが最も多い。
2位は7月にフルモデルチェンジしたアクア。先月の3位から一つランクアップとなった。新型車であることに加えて、比較的納期が早いことも台数を伸ばす要因となっている。
3位のカローラは、9月14日発売のSUV「カローラクロス」が加わったことで堅調に推移。なお9月のカローラクロスは1129台だが、発売前の予約受注だけで1万3500台もある人気の新型車だけに、納期の長期化が懸念されるところである。
【2021年9月 乗用車ベスト30(登録車)】
1位:トヨタ・ヤリス(1万2696台)
2位:トヨタ・アクア(1万1137台)
3位:トヨタ・カローラ(7901台)
4位:トヨタ・アルファード(7444台)
5位:日産・ノート(6830台)
6位:日産・セレナ(6828台)
7位:ホンダ・フリード(6139台)
8位:トヨタ・シエンタ(4807台)
9位:ホンダ・ヴェゼル(3901台)
10位:ホンダ・フィット(3730台)
11位:トヨタ・ハリアー(3702台)
12位:トヨタ・プリウス(3661台)
13位:トヨタ・ルーミー(3638台)
14位:日産・キックス(3348台)
15位:ホンダ・ステップワゴン(3303台)
16位:トヨタ・ライズ(3091台)
17位:トヨタ・RAV4(3001台)
18位:トヨタ・ヴォクシー(3000台)
19位:トヨタ・ランドクルーザー(2497台)
20位:スズキ・ソリオ(2483台)
21位:トヨタ・ノア(2060台)
22位:スズキ・スイフト(1909台)
23位:スバル・インプレッサ(1804台)
24位:三菱・デリカD5(1797台)
25位:マツダ・CX-30(1632台)
26位:マツダ・MAZDA3(1599台)
27位:マツダ・CX-5(1536台)
28位:日産・リーフ(1454台)
29位:トヨタ・クラウン(1444台)
30位:スバル・レヴォーグ(1134台)
ルークス、ワゴンRが大きく浮上
部品不足による減産や新型車の登場もあり、登録車以上にランキングが大きく変動したのが軽自動車。N-BOXの1位はいつもの通りだが、2位にはルークスが先月8位から躍進、先月6位のワゴンRも新型車「スマイル」の追加で3位と大きく浮上した。
一方で、減産の影響を大きく受けたのがダイハツ。タントをはじめ、タフトやムーヴ(キャンバス含む)も大きく台数を減らし、ランキングも下位に沈んでいる。各社とも減産は今後もしばらくは続くものと見られており、当面は月ごとに順位も大きく変わることも予想される。
【2021年9月 乗用車ベスト15(軽自動車)】
1位:ホンダ・N-BOX(1万1805台)
2位:日産・ルークス(9708台)
3位:スズキ・ワゴンR(7573台)
4位:スズキ・スペーシア(7064台)
5位:スズキ・ハスラー(5903台)
6位:ダイハツ・タント(5298台)
7位:スズキ・アルト(4788台)
8位:三菱・eK(4721台)
9位:日産・デイズ(4653台)
10位:ホンダ・N-WGN(4453台)
11位:ダイハツ・タフト(3899台)
12位:ダイハツ・ミラ(3896台)
13位:ダイハツ・ムーヴ(3879台)
14位:スズキ・ジムニー(2736台)
15位:トヨタ・ピクシス(824台)