アウディRS 3がニュルブルクリンクでコンパクトクラスのラップタイムレコード新記録を樹立

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独アウディは8月3日、「RS 3 Sedan」がニュルブルクリンクのノルトシュライフェ(北コース)で、これまでのコンパクトクラスのラップタイムレコードを4秒64上回り、新記録を樹立したと発表した。レーシングドライバー兼開発ドライバーのフランク スティップラー氏がドライバーを担当した。

 

 

最新世代のコンパクトスポーツカーの新型「RS 3」には、伝説的な5気筒ターボエンジンが搭載され、2.5 TFSIエンジンのトルクがこれまで以上に高められている。RS 3 SportbackおよびRS 3 Sedanの0~100km/h加速は3.8秒で、RSダイナミックパッケージとセラミックブレーキを装着すると、最高速度は290km/hに達し、加速性能および最高速度においてもクラス最高の数値を誇っている。

今回の新記録樹立には、アウディの量産モデルとしては初めてRS 3に採用された、リヤアクスルのトルクを完全に可変配分できるトルクスプリッターが大きく貢献した。この新しいテクノロジーでは、左右のリヤホイール間で駆動トルクを完全に可変配分し、各ドライブシャフトはそれぞれ電子制御式のマルチプレートクラッチがあり、スポーティな走行をすると、システムはコーナー外側の後輪のトルクを増加させることで左右駆動輪の推進力に差が生まれ、コーナー進入時の挙動が改善されるとともにステアリング操舵角に対する追随性がより正確なものとなる。その結果、特に高速でコーナリングする場合に、最適な安定性と最大の敏捷性が両立する。

トルクスプリッターの特性は、アウディドライブセレクト ダイナミックハンドリングシステムを介して、用途、路面状況、ドライバーの好みに応じて、さまざまなモードに変更することが可能となっている。トルクスプリッターは、新開発されたRSパフォーマンス ドライビングモードと組み合わせることで、アンダー ステアおよびオーバーステアを最小限に抑え、狙った走行ラインに沿った非常にダイナミックでスポーティな走りを実現。これにより、コーナー出口でより早く加速することが可能になり、ラップ タイムも短縮される。RSパフォーマンスモードを選択すると、今回初めて工場出荷時に装着することが可能になったオプションのピレリP Zero “Trofeo R”セミスリックタイヤに合わせて、エンジンやトランスミッションも制御が最適化され、それによりニュルブルクリンク北コースでラップタイム 記録を出すための理想的なセットアップとなった。

さらに、RSスポーツサスペンションプラスでは、オプションでアダプティブダンパーコントロールも 装着することが可能となっており、路面条件、運転状況、アウディドライブセレクトで選択されたモードに合わせて、各ショックアブソーバーを連続的かつ個別に調整する。RSパフォーマンスモードには、異なる性質のサーキット用に2つのセットアップが用意されており、1つは起伏の激しいサーキットに適したモードで、優れたコーナリング性能を維持しながら、アンジュレーションに対するボディの揺れを柔軟に抑え込む。もう1つはフラットな路面に適した設定で、RS用に調整され、ステアリング操舵角に 応じてギア比を変化させるプログレッシブステアリングでは、路面からの情報をダイレクトにドライバーに伝え、ステアリングを切るにつれて、ギア比も小さくなり、ステアリングフィールは非常にダイレクトなものになる。

記録となるラップタイムを計測する前にチームが行った作業は、ピレリ P Zero “Trofeo R”セミスリックタイヤの空気圧を、サーキットコンディションに合わせて調整したのみで、ドライバーのスティップラー氏は「このような記録を出せるチャンスは、 いつでもあるわけではありません。だからこそ、走行前につねにファインチューニングを実施する必要があるのです。特にタイヤ空気圧に関しては、トルクスプリッターの機能にも影響を及ぼします。そして、私たちのアプローチは成功しました。この日は、すべてがうまくいきました」とコメントしている。

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