日産、日南市(宮崎県日南市)、株式会社九南、宮崎日産自動車株式会社、株式会社日産サティオ宮崎の5者は7月30日、電気自動車を活用した「災害連携協定」を締結したと発表した。
同協定は、日南市が「電気自動車(EV)の普及を通じて、地域の課題解決や環境負荷の低減に取り組むと共に、地震災害等による大規模停電が発生した際に、市が指定する避難所等において、九南が社の営業車として所有している電気自動車(EV)『リーフ』と、日産の販売会社である宮崎日産とサティオ宮崎が所有する電気自動車(EV)『リーフ』の試乗車を電力源として活用することで、避難所の円滑な運営を行い、市民の安全確保に努める」という内容となっている。
地球温暖化問題においてはエネルギー問題と密接に関わっていることや、地球温暖化の進行が近年の猛暑や豪雨などの気象現象に影響を及ぼしていることから、日南市では、頻発化・激甚化している災害に対しての減災対策に対応する新エネルギー導入促進に向けた「地域新エネルギービジョン」や環境基本計画の策定を実施し、地域に密着した環境負荷軽減に取り組んでいるほか、SDGsの推進による持続可能なまちづくりも積極的に推進している。
また、九南は、宮崎県都城市の地元の電力送電、配電会社として、「電気の持つ力を通して、人と暮らしの未来を創造する。」という企業理念のもと、人と電気の架け橋として、豊かな社会の実現に向けて取り組んでいる。
さらに、日産では日本が抱える環境負荷低減や災害対策等の課題を解決するため、2018年5月に日本電動化アクション「ブルー・スイッチ」を発表し、その活動を牽引するリーダーとして、全国の自治体や企業と協力して、電気自動車(EV)普及を通じた社会の変革に積極的に取り組んでいるのに加え、「ブルー・スイッチ」活動の推進を通じて、温暖化対策、防災・減災、エネルギーマネジメント、観光、過疎化などの地域課題の解決に取り組み、SDGsの達成に貢献している。
今回は日産が推進する「ブルー・スイッチ」活動、日南市が取り組む「地域新エネルギービジョン」、九南の「電気を通じて豊かな人間社会の実現を目指す活動」との、それぞれの取り組みにお互いが賛同し、協定の締結が実現した。3者は今回の協定締結を機として、今後も地球温暖化対策を含む環境活動の推進や、電気自動車(EV)を活用した持続可能な災害に強いまちづくりを推進し、地域防災力向上、SDGsの推進、環境活動での連携を更に強化していくと述べている。
【電気自動車を活用した「災害連携協定」概要】
- 日産、九南、宮崎日産、サティオ宮崎は、日南市で災害を起因とする停電が発生した際、市が指定する避難所に、九南が所有する電気自動車(EV)「リーフ」と、日産販売会社の店舗に配備している電気自動車(EV)「リーフ」を無償で貸与する。
- 日南市は、九南、日産、宮崎日産、サティオ宮崎の協力により電気自動車(EV)からの給電を行うことで、災害時においても継続して電力が供給できる体制を整え、避難所の円滑な運営を図り、市民の生命及び身体の安全を守る。
- 日南市、九南、日産、宮崎日産、サティオ宮崎は、平常時も市の防災訓練などのイベントにおいて、「電気自動車は『走る蓄電池』」としての災害時・停電時等の有効性や活用を市民へ積極的にアピールし、環境・防災意識向上を目指す。