三菱ふそう、AIと機械学習を活用した次世代の配送計画ソフトウェアを開発する米Wise Systems社と業務提携締結

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三菱ふそうトラック・バス(以下、MFTBC)は7月15日、AI(人工知能)と機械学習を活用した次世代の配送計画ソフトウェアを開発するWise Systems Inc.(本社:アメリカ合衆国マサチューセッツ州、以下「Wise Systems社」)と業務提携に関する契約を締結したと発表した。MFTBCは今回の業務提携により、Wise Systems社の日本国内のパートナーとして、同社開発の次世代配送計画システム「ワイズ・システムズ」の販売を2021年第4四半期より開始する。

今回サービスを開始する「ワイズ・システムズ」は、FUSOブランド製のトラックに限らず、全てのブランドのあらゆる種類の車両で利用可能なラストワンマイル配送を最適化する配送計画システム。MFTBCは、2017年より車両や車両の運行状態をリアルタイムで管理するテレマティクス機能「Truckonnect(トラックコネクト)」の新型車両への搭載を進めており、現在全ての新型トラックへ搭載を完了している。今回の業務提携は、米国のWise Systems社とMFTBCのコネクティビティデジタルサービス部門間での連携を通じて実現した。MFTBCは、同社にとって今回が初となる外部企業との業務提携により、車両自体を管理するだけでなく、物流・配送プロセスに関わる全ての人のニーズに迅速に対応するソリューションを提供する企業として、さらに進化すると述べている。

「ワイズ・システムズ」は、ラストワンマイル配送プロセスを効率化するクラウド及びスマートフォンベースのソフトウェア。同システムはAIと機械学習を駆使し、配送オーダー、荷物、ドライバーや車両、交通状況といった配送に関連するあらゆる情報を取り入れ、ルート計画アルゴリズムが配送ルートやトラック及びドライバーを選定し、最適な配送計画を自動作成する。作成した配送計画はドライバーの端末へ配信され、リアルタイムで配送状況の追跡や進捗が更新される。配送担当者は日々のルート計画に要する時間を短縮できるほか、配送状況を可視化することで車両の稼働や配送状況をリアルタイムで把握できる。ドライバーはスマートフォンのアプリで、配送ルートの確認や荷物の配達完了通知を簡単に実行できるほか、荷物を受け取るエンドカスタマーも配送状況をリアルタイムで把握でき、到着予定時間も受取日にあらかじめ把握することが可能となる。

 

 

「ワイズ・システムズ」の機能は、AIと機械学習によって車両オペレーションに関わるリアルタイムのデータを継続的に学習することで、稼働率、パフォーマンスおよび顧客サービスを継続的に改善し、その性能を向上することが特徴となる。従来ベテランの配車担当者が長年の経験で行っていたルートの提案を、機械学習によって頻繁に利用するルートなどを学ぶことで、回数を重ねるごとに効率的な配送計画の提案を可能にする。米国のユーザーは平均で走行距離を15%削減、稼働率を20%向上、配送遅延を最大で80%解消した実績があるという。同システムは、食品・飲料、宅配便、フィールドサービスや各種ビジネス向けのラストワンマイル配送に最適なほか、車両の運行効率化を通じてCO2排出削減にも貢献し、米国のユーザー企業では車両の走行距離とCO2を15%削減した実績もある。さらに、運行効率化によって深刻なドライバー不足へのソリューションとして社会に貢献する。

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