いすゞ、株式会社トランストロン(以下、TTI)、富士通株式会社(以下、富士通)の3社は2月18日、高度な運行管理や稼働サポートサービスを提供するため、新たな商用車情報基盤「商用車コネクテッド情報プラットフォーム」の構築に着手したと発表した。
いすゞ、TTIの各社がカスタマーから預かっている約50万台の商用車に関する車両コンディション情報や位置情報などの遠隔取得データを「商用車コネクテッド情報プラットフォーム」に統合する。この新プラットフォームでは、いすゞが持つ高度純正整備「PREISM(プレイズム)」や商用車テレマティクス「MIMAMORI(みまもり)」での車両データの活用ノウハウを活かし、TTIのクラウド型運行支援サービスの実績と富士通の最新のDX技術(クラウドサービス、コネクテッドサービス)によるシナジー効果により、物流業界のさまざまな課題に応えるために2022年中に新サービスの提供を開始するとしている。
いすゞは、2004年より商用車テレマティクス「みまもりくんオンラインサービス」を展開し、商用車におけるコネクテッド技術の活用にいち早く取り組んでおり、2015年には大型トラック「ギガ」に情報通信端末を標準搭載、同時に車両データを活用した高度純正整備「PREISM」を展開、さらに2018年に小型トラック「エルフ」、2019年に中型トラック「フォワード」にも情報通信端末を標準搭載し、全トラックシリーズのコネクテッド化を実現した。現在では約30万台のコネクテッドトラックの遠隔データを活用したサービスを広く提供している。
TTIは、ネットワーク型車載機で記録した運行情報を元に、日報などの管理帳票、ドライブレコーダー映像をリアルタイムにどこからでも活用できる運行支援サービスを富士通のクラウドサービス「FUJITSU Hybrid IT Service FJcloud」を提供。現在約20万台のトラック事業者、バス事業者の日々の運行管理業務をサポートしている。
富士通は、独自の通信網やクラウド技術、データ分析やさまざまなIT関連技術を有し、デジタル分野のみならずデータの利活用によりサプライチェーンに関わる事業者や社会に貢献している。
3社は、「商用車コネクテッド情報プラットフォーム」では、商用車の運行情報と車両コンディション情報を活用した高度な運行管理や稼働サポートサービスの提供に加え、荷主・運送事業者・倉庫事業者等の基幹システムをはじめとした多様なデータ連携により、物流業界が抱えるさまざまな課題の解決に貢献する仕組みを提供。また、業界を超えた情報プラットフォームとの連携による新しいソリューションの創出や、今後の電動商用車の普及を見据え、EMS(エネルギー・マネジメント・システム)だけでなく、今後さまざまなデータベースとしての活用も視野に入れ、商用車情報プラットフォームとして、カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に貢献していくと述べている。