日産ほか8企業と福島県の3自治体、「福島県浜通り地域における新しいモビリティを活用したまちづくり連携協定」を締結 震災復興と持続可能な未来の“まちづくり”実現を目指す

all 業界ニュース

日産自動車株式会社、フォーアールエナジー株式会社、福島日産自動車株式会社、日産プリンス福島販売株式会社、イオン東北株式会社、日本郵便株式会社東北支社、株式会社長大、株式会社ゼンリン、浪江町(福島県双葉郡浪江町)、双葉町(福島県双葉郡双葉町)、南相馬市(福島県南相馬市)、の11者は2月2日、「福島県浜通り地域における新しいモビリティを活用したまちづくり連携協定」を締結したと発表した。

 

同協定は、参画する3つの自治体と8つの企業が、東日本大震災からの復興、並びに、浪江町、双葉町、南相馬市が目指す、夢と希望のある未来の“まちづくり”において、各社が持つ資源、先進技術やノウハウを生かしながら、地域住民と共に創り上げていく、という内容となっている。具体的には、新たな移動手段となるモビリティサービスの構築、再生可能エネルギーの利活用による低炭素化の取り組みと合わせ、コミュニティの活性化と強靭化の領域においても協業し、持続可能な“まちづくり”の実現を目指す。

 

11者はこの協定締結を機として、震災から復興した地域における、新しいモビリティを活用したまちづくりの実現を共に推進していくと述べている。

 

また、浪江町スマートモビリティーチャレンジ事務局参加団体(福島県浪江町,南相馬市,双葉町,イオン東北、まちづくりなみえ,日本郵便、日産、ゼンリン、4Rエナジー、長大)は、2月8日(月)から2月20日(土)(予定)まで、福島県双葉郡浪江町において、地域を支える新たなモビリティーサービスの実証実験を実施し、住民や来訪者に向けたサービス受容性を検証する。

 

この新たなモビリティーサービスは、浪江に暮らす人や浪江を訪れる人の移動に関する課題解決に向けて取り組むもので、実証実験では、道の駅をモビリティーハブ(接続拠点)とし、町内の主要な場所を繋ぐ巡回シャトルと自宅やハブと郊外の目的地を結ぶスポーク車両を組み合わせた、ハブ&スポーク型の「町内公共交通」や、店頭で購入もしくはWebで注文した商品の配達・受け取りを貨客混載で行うモビリティー「荷物配達サービス」などを、新たな公共交通として検証する。なお、この実証は全て電気自動車を使用して行われ、さらに上記サービスの提供による利便性の向上を模索し、過疎地においても持続可能となるサービスの提供を目指すとしている。また、将来に向けた自動運転技術の導入を見据え、巡回シャトルの運行においては、自動運転車両による走行実験も実施する。

 

<今回締結した協定の概要>

①新たな移動手段となるモビリティサービス

過疎地や復興地域においても持続的、かつ、帰還・交流人口の段階的な増加にも対応しうる公共交通サービスの構築を目指すとともに、生活利便性の向上、経済、産業の活性化へも貢献する、自由な移動や物流手段の実現を目指す。

 

◆具体例

  • 浪江町、双葉町、南相馬市、日産自動車、イオン東北、日本郵便、長大、ゼンリンは、さまざまな交通手段、貨客混載、デジタル技術及び自動運転技術等の活用により、過疎地や復興地域においても持続可能なモビリティサービスの構築と、帰還・交流人口の段階的な増加に対応しうる持続可能な公共交通サービス構築を目指す。
  • 浪江町、双葉町、南相馬市、日産自動車、イオン東北、日本郵便は、構成自治体内の生活利便性向上、経済、産業の活性化への貢献を目的とした移動や物流の実現を目指す。

 

②再生可能エネルギーの利活用、低炭素化に向けた取り組み

電気自動車や定置型再生バッテリーを利用したエネルギーマネジメントシステムの構築と合わせ、各種施設や域内店舗での再生可能エネルギーの利活用を向上させ、低炭素化への取り組みを加速させる。

 

◆具体例

  • 浪江町、南相馬市、日産自動車、フォーアールエナジーは、電気自動車の充放電統合的制御技術の応用と、定置型再生バッテリーの利用による、地産の再生可能エネルギーを有効に活用するエネルギーマネジメントシステムの構築を目指す。さらに、本技術を活用し、浪江町、南相馬市内の施設における再生可能エネルギーの利用率向上実現に努め、中長期的に域内全体の低炭素化の促進を図る。
  • イオン東北は、浪江町内の店舗を活用し、再生可能エネルギーの利活用や省エネルギーへの取り組み等を通じ、脱炭素化に貢献する。また、日本郵便は、浪江町、南相馬市内全体の低炭素化の促進を目的に、再生可能エネルギーの利活用及びエネルギー利用の適正化を目指す。
  • 長大は、バイオマス発電のノウハウを活かし、浪江町、南相馬市に対し、防災計画等を考慮した低炭素化へのエネルギー計画を企画、提案する。

 

③コミュニティ活性化

各社が有するノウハウや取り組み、教育などの各種コンテンツを活用し、市町が主催するイベントへの協力や企画提案、コンテンツ等の提供を通し、コミュニティの活性化や、観光などの各種事業に貢献、協力するとともに、まちの魅力向上や発信に努めていく。

 

④強靭化

災害時における電気自動車からの電力供給に関する情報提供をはじめ、店舗、拠点における地域のライフラインとして協力し、災害に関する情報共有と合わせ、防災・減災に寄与する活動を通し、まちの強靭化に向けて協力していく。

 

<なみえスマートモビリティーチャレンジの実証実験の概要>

実証① ハブ&スポークサービス

◆場所:浪江町中心部およびその周辺

◆日にち:2021年2月8日(月)~2月20日(土) ※水曜、日曜除く

◆時間:8:15~19:00

◆サービス内容

  1. 浪江町中心部を周回する巡回シャトルを高頻度で運行し、まちの中心部の回遊性を向上(中心部の巡回シャトルは、乗降所に設置するサイネージで顔認証による利用者判別を行い、簡単な操作で目的地を設定できる。)
  2. 道の駅をモビリティハブ(接続拠点)とし、自宅などの周辺部との移動手段であるスポーク車両と巡回シャトルの乗り継ぎにより移動サービスの効率化【ハブ&スポークサービス】(スポーク車両は、利用者からの予約により、自宅と道の駅、道の駅と施設などの移動が行えるサービスです。スポーク車両は、スマホアプリで乗車場所や目的地を設定できる。)
  3. イオン浪江店の商品の自宅への宅配や、道の駅受取りなどにハブ&スポーク車両や日本郵便の既存の車両を用いた貨客混載でマルチユース利用(ハブ&スポーク車両は人の移動だけでなく、モノの移動も行うことで、運行効率の向上を図ることを目指しています。モノの移動では、ドライバーが荷物の受け取り、置き配を行う。)

◆使用車両:

  • 中心部の巡回シャトル 日産eNV200改 2台
  • 周辺部のスポーク車両 日産リーフ  3台
    ※宅配には既存の日本郵便車両も使用

◆検証内容:

  • 住民等のサービス受容性(巡回シャトルによるまちの中心部の回遊性、ハブでの乗り換えの利便性等)を検証
  • イオン浪江店の店頭で購入した商品やWebで注文した商品の荷物配達サービスについて、貨客混載の有効性の検証

◆巡回シャトル:日産eNV200改 2台 

 

実証② 自動運転デモ

  • 場所:浪江町中心部
  • 日にち:2021年2月15日(月)~2月20日(土) ※水曜、日曜除く
  • 時間:9:00~16:00
  • サービス内容:“ハブ&スポーク型”サービスを持続可能な仕組みとするための方策の一環として、町の中心部を周回するルートを自動運転で走行
  • 使用車両:自動運転デモ供試車両 日産eNV200改 2台
  • 検証内容:自動運転車両に乗車したときの受容性を検証

 

 

Tagged