国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD 2021」、入賞作品6作品を発表

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レクサスは1月29日、全世界の次世代を担うクリエイターを育成・支援することを目的とした国際デザインコンペティション「LEXUS DESIGN AWARD 2021」の入賞作品6作品を決定したと発表した。

 

2013年に創設された「LEXUS DESIGN AWARD」は、世界中の新進気鋭のクリエイターに焦点を当てる国際デザインコンペティション。より良い未来を形成する力を持った作品を制作するデザイナーやクリエイターを支援することによって、社会に貢献するアイデアを育むことを目的としている。

 

通算9回目を迎える本アワードに対し、世界66ヶ国/地域から2,079点の応募があり、総応募数は4年連続で過去最多を記録している。応募作品は、より良い未来を創造するためにレクサスが掲げる3つの基本原則「Anticipate(予見する)」、「Innovate(革新をもたらす)」、「Captivate(魅了する)」をいかに具現化しているかという視点で選定されている。

 

今回の審査について、「LEXUS DESIGN AWARD 2021」の審査員を務めるグレッグ・リン氏は「2020年は気候変動や世界規模の感染症が発生した未曽有の年でしたが、変化の多い現代から未来を見据え、起こりうる課題に対応する作品が多数集まりました。入賞6作品に限らず、全体を通して特に人間らしさや個人の想いが詰まった作品が多かったことが、印象的でした。」と語った。

 

6組の入賞者は1月中旬、世界の第一線で活躍するジョー・ドーセット氏、サビーネ・マルセリス氏、マリアム・カマラ氏、スプツニ子!氏の4名のメンターによるオンラインワークショップに参加した。

 

ワークショップについて、マリアム・カマラ氏は「非常に刺激的なワークショップであり、前向きで社会貢献度が高い入賞作品に感心しました。生活様式が様々に変わり始めている今、入賞者の視点と感受性は未来に希望をもたらすものだと感じています。それぞれが情熱を持ってプロジェクトに取り組んでおり、最終的なアウトプットをより強化していくために課題を深く掘り下げ、必要なリサーチをしようとする高いモチベーションがあります。リモートではありましたが、オンラインツールの活用と入賞者の準備により、活発な議論ができ、私自身も楽しむことができました。今後の数ヶ月間で、入賞者がどのように作品を進化させていくのか、とても楽しみです。」と述べた。

 

入賞者はワークショップを皮切りとして、約3ヶ月に渡りメンターの継続的な指導を受けながら自身のアイデアを具現化したプロトタイプを制作。2021年4月に最終アイデアを審査員に向けてプレゼンテーションし、グランプリを選定する予定となっている。

 

【「LEXUS DESIGN AWARD 2021」受賞作品概要】

<作品名:CY-BO>

生物の細胞の接合から着想を得た新しい梱包材で、ピースを組み合わせることで、さまざまな形状に変化させることができる。何度でも組み替えて再利用でき、アイデア次第で小物やインテリアなど、梱包材以外の用途にも活用できる。

<受賞者名:阿部 憲嗣(日本)>

多摩美術大学でプロダクトデザインを専攻し、2013年に卒業。東京を拠点に活動するプロダクトデザイナー。映像製品のデザインの仕事を行うかたわら、個人的なデザイン活動も展開。人間、自然、動物、そして地球のより良い未来の創造に関心を持ち、人類が直面している問題に対する美しい解決策を、デザインを通じて提案したいと考えている。

 

 

<作品名:Heartfelt>

パンデミックの時代に“人が存在すること”の意味を探求し、相手の体温や鼓動を、遠距離通信デバイスを通じて感じることで、ひとりでいることの不安や精神的なストレスを解消する。

<ゲイル・リー(ニュージーランド/活動拠点 : ニュージーランド)&ジェシカ・ヴェア(トンガ/活動拠点 : ニュージーランド)>

オークランド工科大学でクリエイティブテクノロジーの学士号を取得し、同修士号の取得を現在目指すユニット。人々の助けになる意義ある作品の創作や、異なる分野・実践の場を繋ぐコラボレーションの促進に熱心に取り組んでいる。

 

 

<作品名:InTempo>

他者の前や公の場での精神的な不安(社交不安障害など)に苦しむ人を支援するための手袋。音楽のリズムに合わせて、手袋の特定の部分に触れることで、今置かれている状況から意識をそらし、気持ちを落ち着かせることができる。

受賞者名アリーナ・ホロヴァチュク(ウクライナ)>

キエフの国立大学で建築情報技術の研究を続ける若手建築家。人間の感情と、人間が世界をどう捉えているかを重点に置きデザインにアプローチする。

 

 

<作品名:KnitX>

デジタル編み物に光学活性糸、導電性糸、合成糸を組み合わせた機能性テキスタイル。活性繊維と電子繊維を使用することで、人の動作や日光にダイナミックに反応し、テキスタイルの見た目や温度が変化する。この機能は、衣服やインテリアファブリックに幅広く活用できる。

<受賞者名:イルマンディ・ウィチャクソノ(インドネシア/活動拠点 : 米国)>

電気・テキスタイルのエンジニア兼デザイナー。現在、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの博士課程在籍中。人間とコンピューターのインタラクションなど、さまざまなアプリケーションに対応するテキスタイルベースの電子工学の開発に焦点を当て、研究を行っている。

 

 

<作品名:Solar Desalination Skylight>

海岸沿いの生活インフラが整っていない地域において、豊富な太陽エネルギーと海水を利用し、飲料水と拡散光を生み出す装置。残った塩水からエネルギーを生み出し、装置本体のLEDライトを点灯することができる。

<受賞者名:ヘンリー・グロガウ(ニュージーランド-オーストリア/活動拠点 : デンマーク)>

コペンハーゲンにあるデンマーク王立芸術アカデミーを卒業。修士課程では建築と極限環境を専攻し、さまざまな場所に遠征し現在と将来の地球規模の課題を探求した。現在はコペンハーゲンのデザイン会社GXNで建築家として働いている。

 

 

<作品名:Terracotta Valley Wind>

夏場に地下鉄の駅構内を冷却させ、エネルギー消費を削減するテラコッタ製の蒸発冷却システム。地下鉄の駅で、列車がホームに入ってくる際に発生する風力という、これまで利用されていない資源に着目し、安価で入手しやすく、水分を素早く蒸発させるテラコッタを用いて気化熱を活用する。

<受賞者名:Intsui Design(シンガイ・カク、ホカ・セイ、イチライ・ロ、ウ・チョウ)(中国/活動拠点 : 日本)>

東京を拠点に活動するプロダクトデザイングループ。多摩美術大学・統合デザイン学科で修士課程に在籍中の4名より成る。人々の直感と、モノや環境に対する自然な反応に焦点を当て、人間の潜在意識的な行動とデザインの関係を探求する。

 

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