続々デビューのSUV。どのモデルがどれだけ売れている?国産SUV平均月販台数ランキング

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現在、世界的に人気を集めているのがSUVだ。もともと人気が高かった北米はもちろん、今では欧州や中国も同様。もちろん日本も例外ではない。数年前まではやや大きめのミドルサイズのモデルが多かったが、2020年は1月のハスラーを皮切りに、タフト、ヤリスクロス、キックス、MX-30と続々とコンパクトなSUVの新型車がデビュー。一気に車種が増え、新車市場を牽引する原動力ともなっている。では、どのモデルが人気なのだろう?

運転しやすいコンパクトSUVに人気が集中。トヨタ・ライズが他を圧倒

そこで2020年の国産SUVの新車販売台数を、平均月販台数順に並べてみた。全体的な傾向としては、上位に並ぶのは、当然のことながら発売から間もない新世代のモデルが中心。特にコンパクトSUVが多い。中でも圧倒的に販売台数が多かったのがトヨタ・ライズ。2位以下を大きく引き離しての堂々トップだ。日本のSUVに求められる要素がバランスよくまとめられた結果といえるだろう。

【1位~10位】20年デビューの最新モデルが上位を占める

1位:トヨタ・ライズ(平均月販1万503台)

数あるSUVの中で堂々トップとなったのは「ライズ」。5ナンバーサイズのコンパクトなボディサイズながら、広い室内空間や充実した装備、SUVらしいスタイルを持ち、価格も167.9万円からとリーズナブル。1Lターボエンジンの走りも軽快だ。要するに「カッコよく」「運転しやすく」「快適で」「安い」。となれば売れないわけがない。納得の1位である。

 

2位:トヨタ・ヤリスクロス(平均月販8155台)

コンパクトカー「ヤリス」をベースにしたSUVで、20年8月31日に発売。都市型SUVらしいクーペ調のスタイルは独特な雰囲気を持っている。ライズにはないハイブリッドも設定されており、WLTCモードで30.8km/L(2WD)とクラストップレベルの低燃費を実現しているのも素晴らしい。基本的にはパーソナルユースを中心とした都市型SUVだが、ガソリンの4WD車にはマルチテレインセレクトを搭載するなど、SUV本来の高い実力も備えたモデルである。

 

3位:スズキ・ハスラー(平均月販6676台)

1月にフルモデルチェンジされ、2代目となったハスラー。爆発的な大ヒットとなった初代モデルに続き、2代目も人気を継続。初代ハスラーのDNAを継承しつつ、プラットフォームを刷新したことで快適性や走行性能も大きく向上し、デザインばかりでなく中身も大きく充実している。軽SUVとは思えないほど広い室内空間も大きな魅力。スペーシアもいいがスライドドアは不要、といったユーザーにも適しており、この汎用性の高さも売れている理由だ。

 

4位:ダイハツ・タフト(平均月販6135台)

打倒ハスラーとばかり、20年6月に登場した新型軽クロスオーバーSUV。カクカクしたSUVらしい力強いフォルムを特徴としている。ファミリーユースにも向いたハスラーに対して、こちらは前席重視のパーソナル指向が強いモデルだ。前席の上にはガラスルーフ「スカイフィールドトップ」を備え、抜群の爽快感も人気となっている。

 

5位:トヨタ・ハリアー(平均月販5506台)

6月にフルモデルチェンジしたので、平均月販は新旧モデルを合わせたもの。新型だけにすると8077台で、ヤリスクロスにほぼ匹敵する台数となる。上級ミドルSUVとしては驚異的な売れ行きだ。サイズ的には競合するライバルが多いが、上質なプレミアム性を備える点で直接的なライバルは不在という孤高の存在でもある。スッキリとしたスマートな外観、上質な室内空間を備えながら、299万円からという価格設定も人気の理由。調光パノラマルーフなど初採用の新装備が満載されているのも魅力である。

 

6位:トヨタ・RAV4(平均月販4571台)

都市型SUVがハリアーならば、こちらはタフなオフロードSUV路線。精悍で力強いスタイルと実用性に優れた室内パッケージはアウトドアレジャーにも最適だ。19年4月の発売以来、高い人気を続けている。20年6月にはプラグインハイブリッドの「RAV4 PHV」も追加されたが、直後に完売している。

 

7位:スズキ・ジムニー(平均月販3171台)

軽自動車唯一のクロカン4WD。現行モデルは4代目で2018年の登場だが、人気はまったく衰えず、今なお納期は1年待ちも当たり前。発売時、これは売れるだろうなとは思ったが、まさかここまでとは…。クルマの内容もさることながら、デザインの良さも評価された結果といえるだろう。

 

8位:日産・キックス(平均月販3054台)

国内では久々となる日産の新型車、しかも売れ筋のコンパクトSUVということで前評判が高かったモデル。その割に台数が伸びていないが、これは新型コロナの影響もあってタイからの生産&輸入が停滞していたのが大きな理由。納期が読めないから販売店でも積極的にアピールしていなかったが、ここにきて生産も順調になり、今後はもう少し台数を伸ばすことが期待される。ジュークの実質的な後継車と言われることが多いが、個性派のジュークに対してキックスは正統派コンパクトSUVでキャラクターは大きく異なっている。最大の特徴はe-POWER専用車であることだが、今のところ4WDの設定がないのはSUVとしてはちょっと寂しいところだ。

 

9位:トヨタ・C-HR(平均月販2806台)

独特なフォルムが魅力の個性派クロスオーバーSUVで、どちらかというと性格的にはホットハッチに近い。低い最低地上高でオフロードは苦手だが、その分重心が低く軽快なオンロードでの走りの楽しさは別格だ。2016年の登場時は人気を集めたが、既に需要は一巡。とはいえ根強い人気を誇っている。

 

10位:ホンダ・ヴェゼル(平均月販2744台)

コンパクトSUVの代表モデルとして、2013年の発売以来市場をリードしてきたのがヴェゼル。パッケージングに優れるフィットがベースだから、小柄なボディながら使い勝手は抜群。ファミリーユースにも適したモデルだ。新世代のコンパクトSUVの相次ぐ登場に押され、20年は苦戦したが、フルモデルチェンジも間近。21年は巻き返しが期待される。

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