パナソニック、スマートフォン向け新世代ワイヤレス充電器がトヨタの新型「クラウン」に採用

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パナソニック株式会社 オートモーティブ社は1月21日、新世代ワイヤレス充電器が、トヨタ自動車株式会社の新型「クラウン」に採用されたと発表した。

 

新世代ワイヤレス充電器は、ワイヤレス充電共通規格「Qi」に対応し、同社の独自技術である2軸ムービングコイル方式を10W急速充電対応に進化させて、高効率・短時間充電を実現した。2軸ムービングコイル方式は、スマートフォンのコイル位置を検知し、充電器のコイルが位置合わせを行うことで、低い熱損失、高い充電効率を維持することを特長としている。幅広い形状のスマートフォンに対応できるほか、スマートフォンを充電トレイに置くだけで、ムービングコイルが最適充電位置に移動して充電を開始。また、走行時の振動でスマートフォン位置ずれが発生し充電が停止した場合でも、充電器側コイルが位置補正することで、自動で充電を再開する。

 

パナソニックは、拡大するスマートフォン向け車室内充電に対するカスタマーニーズに対応するため、ムービングコイル技術を活用したワイヤレス充電器の大電力化・高効率化を進化させ、安全・安心で快適なドライビング環境に貢献していくと述べている。

 

<ムービングコイル方式 技術概要>

  1. ユーザーが利用するメジャーなスマートフォンのサイズを規定。その最大のサイズをトレイサイズとし、その範囲内においては走行中の位置ずれを問わず、高効率充電を実現する「2軸ムービングコイル方式」
  2. 車室空間のデザインに自由度を与える「ワイヤレス充電器本体の小型化・軽量化」
  3. 多様なスマートフォンに対応し、安全な充電環境を確保するワイヤレス充電共通規格「Qi」対応

 

<開発技術詳細>

①2軸ムービングコイル方式

スマートフォンとワイヤレス充電器の充電コイル位置が数ミリずれていても、電流損失が発生して充電効率が下がるほか、電流損失に起因する発熱で、加熱したスマートフォンが充電機能を停止させるケースがある。2軸ムービングコイル方式は、パナソニック独自の端末検出アルゴリズムで端末側のコイルを検出。そこに充電器側のコイル位置を合わせることで、端末の形状や位置ずれを問わず、高効率な充電を実現する。

②小型化・軽量化

パナソニックの従来製品比で、ワイヤレス充電器本体の長辺を約10mm小型化しながらもファンを搭載し、冷却効率を改善したのに加え、本体部で約50 gの軽量化を実現。これにより、車室コックピットの限られたスペースでも充分な充電領域を確保した。

③ワイヤレス充電共通規格「Qi」対応

「Qi」規格は、「Wireless Power Consortium(WPC)」が定めるワイヤレス国際充電規格であり、スマートフォン等を対象とした15W以下の低電力向け規格です。新世代ワイヤレス充電器は、「Qi」規格に対応し、ユニバーサルで安全なワイヤレス充電環境を提供する。

 

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