庄内米歴史資料館
知っているようで知らないお米を知る
酒田夢の倶楽(くら)とは棟続き、山居倉庫の1号棟にある庄内米歴史資料館は、大きく分け①山居倉庫の歴史、②米の歴史と米作り、③農家の暮らしについて紹介している。展示では、かつての“米穀取引所”の風景として、農家から持ち込まれた米を検査している様子や、山居倉庫全体をジオラマで再現されている。持ち込まれた米は厳正に検査され、一等米から五等米にランク付けされ入庫されたという。また、米俵をうず高く積んだ大八車が倉庫前にひしめく光景や、人々が米俵(1俵=60㎏)をいくつもかつぐ姿(しかも女性が多い)が写真で紹介されおり、当時の山居倉庫の賑わいが伝わってくる。
日々口にしていながら、知っているようで知らないのが米の歴史。いつ頃日本に渡来し、庄内平野では本格的な稲作はいつごろから始まったのか? 現在の山形県のブランド米、つや姫や雪若丸までつながる品種の系統や品種改良の歴史、今も続く庄内米の隆盛には新品種開発にかけた民間育種家の情熱があった。また、倉庫内での保管方法や包装、俵の積み方の変遷といった“お米トリビア”的なことも知ることができる。
米の生産地ではない“消費地”に住む者としては、農家の暮らしや米作りについては、大昔に確か社会科で習ったような…というレベル。ここでは、すべてが米作りを中心に営まれる農家の暮らしぶりも紹介している。農作業に適したようにつくられた農家や農具が実物大で再現されている。
米という漢字を分解すると八十八になり、稲作にはそれだけの手間ひまがかけられているといわれているが、まさにそのとおり。それを知るいい機会となった。。
日和山公園 日本海に沈む夕日が美しい北前船ゆかりの丘
酒田港から日本海を一望できる小高い丘の上にある日和山公園は、酒田港に出入りした北前船等の船頭衆が、ここから日和を見て出港するか、とどまるかを判断したから“日和山”の名前がついたといわれる。酒田市では屈指の桜の名所であるとともに、日本海に沈む夕日が美しく見える場所の他、明治時代の洋風建築である白亜の六角灯台、廻船問屋が寄進した灯台代わりになった石造りの常夜灯、2分の1スケールの千石船等“港まち”酒田の歴史を感じることができる公園となっている。
白亜の六角灯台(県指定文化財)は、高さが12.83mある木造の灯台で1895(明治28)年に最上川左岸河口に建造された。当初、灯台の光源は石油ランプであったが、1919(大正8)年にアセチレンガス明暗紅光に改良され、1925年(大正14)年に電化された。その後、1958(昭和33)年に近代灯台が完成するまで活躍し、この公園に移築保存された。
船頭衆が出港を判断する時、風の方向を確かめる時に使った直径約70㎝の御影石で作られた方角石も残っている。盤面には十二支に東西南北の文字が刻まれている。現存する方角石としては日本最古のものといわれている。
また、公園内には松尾芭蕉等酒田にゆかりの深い文人墨客等による短歌や俳句、文などを29の文学碑にして、全長1.2㎞の散策路“文学の散歩道”を巡ることもできる。
ご当地ランチ
ワンタンメンの満月 ふわふわな極薄ワンタンとあっさりスープ
大正末期に中国人が開いたラーメン店が酒田でのラーメンの始まり。ここからラーメンが広まり今では自家製麺率日本一、ラーメン消費率日本一といわれる“ラーメン県”にもなり、酒田市内には名店が多い。中でも、ワンタンメンはとても特徴のあるもので、創業60年を迎えたワンタンメンの老舗、満月さんを訪ねた。
酒田のワンタンメンの特徴は、何といてもワンタンの皮の薄さ。戦前に1店舗で始めると順次他店も追随し薄さを競うようになり、酒田=薄いワンタンが定着しやがては全国的に有名になった。ただでさえ薄いワンタンの皮をさらに薄くするには、じっくりと生地を伸ばす技術、そして手間も必要。技術を追求してきた。この満月さんの自家製ワンタンの皮は、新聞の上においても下の字が読めるほど薄い。この皮に具を入れて茹でて麺と一緒になると、ふわふわの食感になりワンタン(漢字で雲呑)の字の通り、まさに“雲を呑む”ような感覚だ。
まずは定番ともいえる「ワンタンメン」を注文。数種の煮干と鶏ガラ等をあわせて炊いたしょうゆ味のスープ。そして、雲を呑むようなワンタンの食感と、シャッキとした歯ごたえのある自家製麺。どことなくなつかしい味だ。スープはさっぱりしていて飽きない味。ワンタン、麺はもちろんのことスープは最後の一滴まで飲み干せる。
そして、人気メニュー「スタミナワンタンメン」も一緒に注文。定番のワンタンメンに、オリジナルのゴマラー油をプラスし、ピリッとした辛味とまろやかな香りが加わった。コレステロールの少ない紅花油を使っているので、見た目よりもヘルシーになっている。
もう一つ、塩ワンタンメンは、酒田の特産でもあるトビウオ(アゴ)を始めとする厳選された食材を使用。しょうゆ味とは一味違う滋味あふれるスープに仕上がった。
旅グルマ紹介
日産・セレナ e-POWER AUTEC SPORT SPEC
今回の旅グルマは、日産の子会社で日産車各モデルをプレミアム感あふれるカスタマイズカーに仕立てるクラフトマンシップ集団、AUTEC(オーテック)がカスタマイズしたセレナ。内外装各所にドレスアップ/機能アップパーツを専用装備し、足回りも専用チューニングが施され、ボディ骨格には補強材も追加されている。見た目だけでなく、乗り心地の質も向上し、全高1.8mを超えるセレナでも山道では、ボディが左右に大きく揺さぶられることなく、まるで背の低いセダンタイプに乗っているような感覚だ。
プロパイロットの制御も秀逸で、高速道路のカーブではクルマが車線の中央を走るよう、常にステアリングが微細な修正舵を入れてくる。また、先行車との車間距離が縮まり“そろそろ減速かな”と思うと同時に減速の制御が始まる等、ドライバーのサポートが行き届き高速道路のロングドライブもまったく苦にならなかった。
今回の立ち寄りスポットマップ
1=分水嶺 2=出羽三山神社 3=山居倉庫 4=庄内米歴史資料館 5=日和山公園 6=ワンタンメンの満月
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