日産、分散型エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築に向け、経済産業省資源エネルギー庁補助事業「VPP構築実証事業」を実施

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日産、三井物産株式会社、三菱地所株式会社、リコージャパン株式会社、エフィシエント株式会社、東北電力株式会社の6社は11月16日、様々な分散型エネルギーリソースを高度なエネルギーマネジメント技術により遠隔・統合制御する技術の構築および電気自動車の蓄電池を活用し、蓄電池を電力系統に接続して充放電する技術(V2G)の構築に向けて、2020年11月16日から2021年3月31日まで共同で「VPP構築実証事業」(以下、「実証プロジェクト」)に取り組むことを決定したと発表した。

 

VPP(Virtual Power Plant)とは、自治体や企業、一般の家庭で保有している発電設備や蓄電池、電気自動車など、地域に分散して存在するエネルギーリソースをIoTなどの新たな情報技術を用いて遠隔制御し、集約することで、あたかも一つの発電所(仮想発電所)のように機能させることをいう。

 

同実証プロジェクトは、2018年4月より開始し、その後継続的な取り組みとして、昨年度は経済産業省資源エネルギー庁の補助事業「平成31年度需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業(V2Gアグリゲーター事業)」に採択され、当該補助事業の一環として取り組んできたもので、昨年度まで取り組んでいたV2G補助事業がVPPアグリゲーション事業に統合されたことから、これまでの取り組みを拡張して、電力需給バランス調整機能としての実現可能性をさらに詳しく検証することを目的として取り組まれる。

 

昨年度は、仙台ロイヤルパークホテル(仙台市泉区)の地下駐車場に充放電スタンド2台と電気自動車2台(カーシェアリング車両として提供中)を、仙台うみの杜水族館(仙台市宮城野区)に隣接した高砂中央公園敷地内駐車場(以下、「仙台うみの杜水族館隣接駐車場」)に充放電スタンド2台を、リコージャパン仙台東事業所(仙台市若林区)および郡山事業所(福島県郡山市)の駐車場にそれぞれ充放電スタンド1台と電気自動車2台を設置し、これらを遠隔で同時に制御し、電力需給バランスの調整機能として求められる動作の正確性について検証した。

 

今年度は新たに、VPPリソースアグリゲーターとしてエフィシエントと連携することで、制御対象のリソースを増やし、複数のエネルギーリソース(定置型蓄電池、電気自動車の蓄電池等)を遠隔・統合制御することにより、VPPの需給調整への活用について実証する。

 

なお、同実証プロジェクトでは、技術の実証に加えて、ビジネスモデルの検討を深掘りするため、業種業態別の電気自動車の活用状況を把握し、それぞれの特性を踏まえ、1日の中で調整力として活用するため最適に配分するなどして、新たなビジネスモデルやサービスの開発に向けて検討していくとしている。

 

<実証プロジェクトにおける各社の主な役割>

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