埼玉県の自動車販売会社「埼玉トヨペット」(本社:さいたま市中央区)が販売するオリジナルキャンピングカー「Green Buddy A-Type」(グリーンバディ・Aタイプ)がモデルチェンジし、10月17日に発表された。
発売日の17日と18日は、越谷市のニュータウン「越谷レイクタウン」の大型商業施設「イオンレイクタウン」に設けた特設コーナーで展示披露イベントを開催。ショッピングモールを行き交う多くの来場者が足を止めて新型車両を見学、関心を寄せていた。
旅するクルマ、遊べるクルマを届けるGBブランド
そもそもグリーンバディとは、新たなファンづくりのために埼玉トヨペットが展開しているブランド事業のひとつ。今年8シーズン目を迎えるレーシングチーム「Green Brave(グリーンブレイブ)」、コンプリートカスタムカー「Green Blaze(グリーンブレイズ)」と合わせ、3つの「GB」ブランドを展開中だ。
グリーンバディは、バンをベース車両にしたバンコン(バンコンバージョン)の製造・販売で国内トップシェアを誇るキャンピングカービルダー「トイファクトリー」(本社:岐阜県可児市)とのコラボレーションにより誕生した。
グリーンバディの魅力を一言で言えば、「商品力の高いトイファクトリー製のキャンピングカーをトヨタ正規ディーラーのコンプリートカーとして購入できる」となる。
今回モデルチェンジしたAタイプは、手が届きやすい価格帯を目指して開発された埼玉トヨペットのオリジナルモデル。都市部でも扱いやすいサイズの標準幅、ロングボディ、標準ルーフのトヨタ・ハイエースをベースに架装した、キャンピングカーカテゴリーではバンコンとなる。
モデルチェンジでは主に、キャンピングカーとして一番重要な内装に手が加えられた。一見してその変化が分かる箇所はシート生地だ。運転席を含む前列、前にも後ろ向きにもなる2列目のREVOシート等にトヨペット色でもあるグリーンのファブリックを採用。また、サイドに備え付けられた簡易キッチンコーナーの壁面にはタイルがあしらわれたことで、自宅のリビングのような温かみのある車室空間を実現した。
こだわりの素材を使った温かみのある車室内
この室内素材のブラッシュアップは、トイファクトリーの最新モデルを知る人ならご存知だろう。同社が今年発売した特別仕様車「Casa Home Style Edition」と同じ。つまり、トイファクトリーで今最も人気の高い特別仕様の一部をこのAタイプにも導入したのだ。
その特徴は、徹底した素材へのこだわりだ。新しいシートやマットには、尾州(愛知県北西部)の高品質生地を採用。自動車基準の難燃・耐摩耗素材として仕上げている。さらに、シンク周りの壁面に貼られているタイルは美濃焼を選択。トイファクトリーの地元である東濃地方の地場産業として有名な窯業地で生産された焼き物で、先のシートを含め、随所に地産素材を使っているのも特色となっている。
基本的な室内レイアウトは、主に3つの展開が可能になっている。運転中は、2列目を前向きのシートとした「ドライブモード」、家族が向かい合って座れる対面式ダイネット展開の「リビングモード」、そしてセカンドシートをフルフラット展開すれば、大人2人+子供1人が就寝できる「スリープモード」になる。オプションの上段マットを設置すれば2段ベッド仕様となり、プラス2名の就寝も可能になっている。
また、Aタイプは標準ボディのハイエースがベース車両のため、コンパクトサイズのミニバン、トヨタ・ノアやヴォクシーとも同サイズ。大型のキャンピングカーと違い、ショッピングや趣味のクルマとして普段使いもできる。
さらに、自分の好みに合わせた生活雑貨やフロアマットをアレンジすることで、室内はガラリと印象が変わる。近年ライフスタイルとして定着しつつある「VANLIFE(バンライフ)」を楽しめるキャンピングカーとも言えるだろう。
専用製造ラインを確保し、早期納車を実現
今やキャンピングカーは需要に対して供給不足とも言われている。そのためどのビルダーも納期は半年から1年が当たり前になっているが、新型Aタイプは納期を受注から約4カ月後としているのもうれしいポイントだ。これは、製造元のトイファクトリーがAタイプ専用ラインを確保して製造しているためだ。
価格は2Lガソリンエンジンモデルが391万9000円から、2.8Lディーゼルエンジンモデルが449万3000円からとなっている(ともに消費税込)。