ボッシュとフォード・モーター及びデトロイトを拠点とする不動産会社のベッドロックは、デトロイトにあるベッドロックの「アセンブリー・ガレージ」内において、ボッシュのインフラシステムを活用して、テスト車両が自動で運転して駐車を行う、ネットワーク化されたフォード・エスケープのテスト車両を用いたデモンストレーションプロジェクトを開始したことを発表した。
3社はデモンストレーションについて、ミシガン・セントラル駅を主体とするフォードの新モビリティイノベーション拠点となるコークタウン地区で実施され、世界中からモビリティイノベーターやディスラプターが集まり、都市交通の課題の解決やモビリティアクセスの改善など、ネットワーク化と自動化が進む世界に備えるための新たなソリューションの開発や実証、立ち上げが進められる見込みだと述べている。
デモンストレーションは、不動産デベロッパーのベッドロックがコークタウン地区で手がけた、新しい建物や歴史的な建物と駐車やモビリティに関する最新技術を組み合わせるというベッドロックのビジョンを体現した、初めての住居再開発プロジェクト「アセンブリー・ガレージ」の1階で行われる。同社は他にも、「フリー・プレス・ビルディング」の1階部分の搬入口から入った車両を自動で地階に駐車し返却も自動で行う、最近設置された米国中西部初の自動駐車場も手掛けている。なお自動バレーパーキング技術は、「アセンブリー・ガレージ」のテナントおよびプライベートデモ向けに9月末まで実演される予定としている。
フォードのネットワーク化されたテスト車両は、高度に自動化された方法でボッシュの駐車インフラとの車両対インフラ(V2I)通信を実施。インフラのセンサーが車両を認識し、その位置を特定して、歩行者やその他の危険回避を含め、車両の駐車動作を誘導する。インフラが車両の経路上に何かを感知した場合、インフラは直ちに車両を停止する。ドライバーは、ガレージに到着した後指定されたエリアに車両を停め、スマートフォンアプリを使用して車両の自動駐車動作を行う。また、アプリを使用して指定された引き取りエリアに車両を戻すよう指示することも可能となっており、駐車操作に必要な時間が短縮され、ガレージで車両を探す手間からも解放される。
さらに自動駐車ソリューションは、自動バレーパーキングにより同じ広さのスペースに駐車できる車両台数が最大20%増加するなど、駐車場の所有者に駐車場内の空間をより有効に活用できるという利点があるほか、「アセンブリー・ガレージ」の事例のように後付けでの展開が可能なのに加え、新たな駐車場を建設する際にあらかじめインフラを組み込んだ設計を行うことで収容能力の最大化を図ることも可能だとしている。
3社は、駐車以外にも充電や洗車など特定のサービスを受けるために車両みずからガレージ内のエリアへ走行することも可能で、デモンストレーションプロジェクトの期間中、ユーザーがガレージから車両を呼び戻すまでに、車両が特定のサービスエリアを経て最終的に駐車するまでの間、どのように移動するかを実演すると述べている。