テクノロジー企業コンチネンタルと、ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)は9月3日、インドネシアでのゴムの栽培から加工、タイヤ生産に至るまでのサプライチェーンを、初めてシームレスで電子的に追跡可能にしたと発表した。
コンチネンタルは、特にインドネシア、ボルネオ島の西カリマンタン州でGerman Development Cooperationに協力しており、カプアス・フールー地区には、ユネスコの生物圏保護区に指定されている広大な自然林を持つ2つの国立公園が存在する。プロジェクトの関係者達は、デジタル・トレーサビリティ・システムを用いて、サプライチェーンのすべてのステップを文書化することに成功しており、これまでに参加した450の小規模農家を対象に持続可能な栽培方法の研修を実施。できるだけ多くのゴムを採取するためにはどのように木の切り付けを行えばよいかなどのより良い技術と共に持続可能な栽培方法を身につけたことにより、彼らが生産する高品質天然ゴムの販売価格を通常よりも大幅に向上することに成功。小規模農家は以前に比べ収穫量を大幅に増やし、1本の木からの採取期間をのばすことが可能となるなど、同社は高品質の天然ゴムの生産と生活の確保、森林伐採の防止に貢献している。
また、デジタル・トレーサビリティ・システムにより、ゴムの生産およびサプライチェーンを詳細に評価することが可能となり、GPSでマッピングされた生産エリア、生ゴムの配送、販売価格は、倉庫での納品時に直接システム内で文書化される。さらに上記システムでは、生産エリアに紐づけて納入された生ゴムの量をチェックし、納入量が予想生産量を超える場合にはシステムに表示し、違法に伐採された地域など、登録されていない地域からゴムがサプライチェーンに入るのを防ぐことが可能となった。
コンチネンタルとドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)は、2019年3月に経済界と市民社会の天然ゴム分野で最も重要なプレーヤーが中心となって設立した「持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム(GPSNR)」のメンバーで、他のメンバーとともに、天然ゴム分野における持続可能性の世界的な向上に取り組んでいくと述べている。